111話 今度こそ ページ16
休日を迎え、俺たちダンスチームは振り付けを決める所から入った。
ほとんど決まってたが。
まあ俺がエリちゃんに会いたいがためにサボってただけだしな。
｢で、こんな感じ！分かった？童話｣
｢ああ。大変だな｣
それでも何となくコツは掴めてきたので恐らく大丈夫だろう。
｢うわっ、童話もう踊れてる｣
｢才能マンだなぁ｣
焦凍は演出を考える方に行ったらしい。焦凍もイケメンなのに何故よ。
ユニークな舞台を考えてたから、面白いステージになりそうだ。
振り付けが完成した俺達は、外で練習していたが、休憩をとるため俺は中に入った。
｢水頼む｣
｢おー、お疲れ様！｣
瀬呂に水を貰って、お互いの状況を話した。
演出組は順調らしい。
すると、切島が結構変えて俺の所へ来た。
｢おい、エリちゃん来てるぞ！｣
｢え!?｣
俺は急いで玄関から出て行った。
｢エリちゃん！｣
｢フィリップ〜！｣
エリちゃんを抱き締められるようにしゃがんだ俺に迷わず抱きついてくれた。
｢フィリップ？｣
｢お前フィリップだっけ｣
まぁそりゃそうなるよな。
疑問符を並べたダンスチームや切島に事の流れを説明してやると、納得した。
エリちゃんは、人混みで突然パニックを起こさない為に今学校見学に来てるらしい。
ルミリオンは休学中だから、ここまでエリちゃんをエスコートしたようだ。
｢ルミリオン、体は大丈夫なのか？｣
｢俺はバッチリだよね！そうだ、ここでは俺の事ルミリオンって呼ばなくていいんだよね！｣
｢……おう｣
｢あれ、もしかして名前知らない？｣
｢……殿方さん｣
｢惜しいんだよね!!俺は通形ミリオだよ！｣
｢久々の童話くん節…なんか安心｣
｢緑谷聞こえてるぞ。よし、通形さんね、今度こそちゃんと覚えた｣
｢OK！｣
俺と緑谷は、通形さんとエリちゃんと一緒に学校を見て回る事になった。
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作者名：roronoa | 作成日時：2019年4月14日 14時
