【及川徹】及川徹、本気になります

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貴女side








「ねぇ」







「…んー？」









国見が、ねぇと私に話しかけた。




ねぇとか女子か。私よりも女子か






内心、そんなことを考えながら国見の言葉に耳を傾ける









「さっき…及川さんに会ったけど…」







珍しく、もごもごと口をさせている。レアだ








口を紡ぐその、形の綺麗な唇。

その次の言葉はなんなのだろう。



……って私はヘンタイかっての…。





自問自答し、次の国見の言葉を待つ







すると、その口から出た言葉は








「…さっきもキョドってたし



Aは…及川さんのこと、好きなの…？」









「……………………うぇい？」







あらまぁ…なんという事でしょう。





チェリーボーイかっての。








「私が及川さんを…？」







てかまず何故キョドってただけでそう見えたのだよ。








「うぇえ!?そうなのかA!!?」







らっきょにも勘違いされてるし









「いやいやいや……ナイナイ。

第一印象だけで人を好きになれるほど、軽くないよ」






国見のジャージのポケットに手を突っ込み、塩キャラメルを1つだけ取り出す









「…多分…キョドってたのは、背が高い先輩&全員男子だったから慣れなかっただけ。


第一、及川さんって人私のことあまり良く思ってないっぽかったしね。」








それだけ言って、塩キャラメルを口に放り込む。






うん、絶妙な甘さ。









すると国見は








「………そっか」







そう言って珍しく、ふわりと笑った。

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