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9.飛べる。 ページ9

眼鏡君の挑発に何も言えずにその場に立ち止まる飛雄。


どうしよう……と困る私だったが、視界に入ったのは、何か、とても高く飛んだもの。


「!?」


眼鏡君の身長を軽く越して、手にあったボールを一瞬で奪い取った翔陽。

眼鏡君も、もう一人の人も、もちろん私も驚きを隠せない。



――翔陽は今確実に、飛んだ。


「明日、その頭ぶち抜いてやる!」

眼鏡君への、宣戦布告。


だけどやっぱり眼鏡君は「へえ」と一言漏らすだけで。


その場を後にしようとした二人に、私は声をかけた。


「あ、あの、名前は?」


「……一年四組、月島蛍」

「俺は山口忠」

「今日から君らのチームメイトだよ」


月島蛍、山口忠…………。


あの二人も、同じバレー部なんだ。


二人が去った後、翔陽と飛雄はまだ練習を続けるようだ。



「じゃあ、私はそろそろ帰るね」

「おう」

「Aも明日いるんだよな!?」

「うん、いるよ」

「じゃあまた明日!」


翔陽と飛雄に手を振って、また明日ねと別れた。




明日の試合で、一年生四人の力が見れるんだよね。

私はバレーに大してまだまだ初心者だから、しっかり勉強しなくちゃ。


それに……


「『コート上の王様』って、どういうことだろう」


「影山のこと?」

「うほあ!?」

真横から突然聞えた声に飛び跳ねる。

「す、スガさん!」

「スガさんです」

「どうしたんですか?もう帰ったんじゃ……」

私がそう問うと、スガさんはあの笑顔を見せた。


「いや、きっとA一人だろうなーって思って」

「……っ……え、」


さ、帰るべーっとスガさんは私の前を歩き出した。


それって、アレだよね。

私のこと、待っててくれたってことだよね。


ドキドキとする胸を抑えた。

いやいや、スガさんは優しい先輩だもん。

それになんか鈍感っぽいところもありそうだし。


変な期待はしない方がいい。


「ありがとうございます、スガさん」


「ん!」

いいべーっと笑うスガさん。

10.王様。→←8.難しい人。



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夏斗 - 初コメ失礼します! とにかく始めにお礼を言わせてください! こんな素敵な作品を書いて下さりありがとうございます!! スガさんの小説少なくないですか!? 数少ないスガさんの作品がこんな甘々なんて最高ですよ!! キュンキュンさせて頂きありがとうございました!! (3月10日 0時) (レス) @page48 id: 73bfbf52f2 (このIDを非表示/違反報告)
zgdj - もうキュンキュン超えてギュンギュンしました!笑最高の作品をありがとうございます!🤍 (3月2日 19時) (レス) @page48 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
ぴざまん - あまずっぺえ…良い… (8月11日 19時) (レス) id: 12362f5741 (このIDを非表示/違反報告)
らぅ - 37〜40の一連の想いに涙が止まりませんでした😭 (2022年9月28日 10時) (レス) @page38 id: 0e8ab4d39d (このIDを非表示/違反報告)
れむ。(プロフ) - 素敵な夢小説ですめちゃ好きです…😿♡ もっと早く出会っていればよかったなんて後悔してます😵‍💫 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 31e76c62e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼空 | 作成日時:2014年5月19日 23時

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