8．難しい人。 ページ8
「お前、初対面の奴大体気に入らないじゃん。アレだろ？そういう習性だろ？」
「習性って……」
スガさんに言われた田中先輩は、「ええー」と声を漏らす。
にしても、本当に大きい人だったな。
もう一人の人も、きっと180�儷瓩�はあるだろう。
「Aちゃん、ボール片付け始めようか」
「は、はい！」
――――……
部活も終わり、挨拶をして体育館を出る。
今日も大変だったなと肩を揉みながら歩くと、大きな声が耳に届いた。
「明日は絶対！負けないからな！」
翔陽？
ギョッとして声のした方へ向かう。
一つの街灯の下、四人の一年生がそこにいた。
あまり聞こえないが、どうも良い雰囲気には見えない。
「君らが勝たないと困るなら……手、抜いてあげようか？」
ニコッといい笑顔で言った、先程の眼鏡君。
挑発だろうとはすぐにわかるが、翔陽は「なんだー!?」ともう喧嘩腰だった。
「てめえが手ぇ抜こうが全力出そうが俺が勝つのに変わりねえんだよ」
「俺たちだろ！」
ああ、飛雄も完全に挑発に乗ってしまっている。
なんとかしなければ、と私は段々と彼らに近づく。
「さすが王様！」
「！……おい、その呼び方……」
「おお、本当なんだね！『コート上の王様』って呼ばれるとキレるっていう噂」
『コート上の王様』……？
聞こえた、聞き慣れない名前に首を傾げる。
だけど、眼鏡君の言葉に飛雄は何も言えなくなって、そのまま眼鏡君の胸倉に掴みかかった。
「わ、ちょ、飛雄！」
「……！」
思わず飛び出してしまった。
私の存在に気づいた四人。飛雄も、私を一瞥すると眼鏡君から手を離す。
「何？君」
近くに立つと眼鏡君はやっぱり大きくて、見上げると首が痛くなりそうだ。
「一年二組、橘Aです……」
「へえ、」
へえ、って……。
大して興味ないんじゃないか、どうして聞いたんだ。
「……切り上げるぞ」
「ええ！おい！」
鞄を持って、その場を後にしようとする飛雄。
だけど……。
「逃げるの？王様も大したことないんだねえ」
なんっだコイツは！
私が振り返って眼鏡君を見ると、「は？」と目をあわせられる。
あんな目に見られたら何も言えなくなる。
ものすごく難しい人のようだ。
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夏斗 - 初コメ失礼します！ とにかく始めにお礼を言わせてください！ こんな素敵な作品を書いて下さりありがとうございます!! スガさんの小説少なくないですか!? 数少ないスガさんの作品がこんな甘々なんて最高ですよ!! キュンキュンさせて頂きありがとうございました!! (3月10日 0時) (
レス) @page48 id: 73bfbf52f2 (このIDを非表示/違反報告)
zgdj - もうキュンキュン超えてギュンギュンしました！笑最高の作品をありがとうございます！🤍 (3月2日 19時) (レス) @page48 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
ぴざまん - あまずっぺえ…良い… (8月11日 19時) (レス) id: 12362f5741 (このIDを非表示/違反報告)
らぅ - 37〜40の一連の想いに涙が止まりませんでした😭 (2022年9月28日 10時) (レス) @page38 id: 0e8ab4d39d (このIDを非表示/違反報告)
れむ。(プロフ) - 素敵な夢小説ですめちゃ好きです…😿♡ もっと早く出会っていればよかったなんて後悔してます😵💫 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 31e76c62e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼空
| 作成日時：2014年5月19日 23時
