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32.隠せない。 ページ32

「………………は?」


間があって、空気が抜けるように声が出た。

思考はついていかない。


「だから、好きだっつってんだよ」

「何が」

「お前が」

「なんで」

「知らね」


え?え?は?


飛雄が?好き?私を?


どうしてこういう時、人の頭はもう少し活動してくれないのだろう。

飛雄の言葉に、私は動揺を隠せないでいた。


「え、ちょっと待って……本当に?」


私が聞くと、飛雄は気まずそうに視線をずらして頷いた。


そんな姿を見ると、今告白されたんだと自覚して、一気に頬が熱くなった。


飛雄が……私を好き。


「い、いつから……?」

「初めて名前呼ばれてからなんか気になってそれで」

「ほぼ最初じゃん」



どうしよう。

飛雄がまさか私のことを好きだなんて考えたこともなかった。


だからこそ私は飛雄にスガさんのことを話していたりしたわけで。


飛雄には、辛い思いをさせたんじゃないだろうか。



「だから言っただろ、俺の好きな奴にも好きな奴がいんだよ」

「それは、そうだけど……私、スガさんが好き、なんだよ?」


こういう時、どうすればいいんだろう。


飛雄のことは好きだけど、それはあくまで友達、チームメイトとしてだ。


私が困っていると、飛雄は立ち上がって部室の扉を開けた。



「それは知ってる。だから、返事は今じゃなくていい」



それだけ言って、飛雄は体育館へと戻っていった。



一人部室に残された私。


「……っはあー……」



飛雄が私を好き、だなんて。




どうすればいいの。

33.最低な。→←31.諦めきれない。



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夏斗 - 初コメ失礼します! とにかく始めにお礼を言わせてください! こんな素敵な作品を書いて下さりありがとうございます!! スガさんの小説少なくないですか!? 数少ないスガさんの作品がこんな甘々なんて最高ですよ!! キュンキュンさせて頂きありがとうございました!! (3月10日 0時) (レス) @page48 id: 73bfbf52f2 (このIDを非表示/違反報告)
zgdj - もうキュンキュン超えてギュンギュンしました!笑最高の作品をありがとうございます!🤍 (3月2日 19時) (レス) @page48 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
ぴざまん - あまずっぺえ…良い… (8月11日 19時) (レス) id: 12362f5741 (このIDを非表示/違反報告)
らぅ - 37〜40の一連の想いに涙が止まりませんでした😭 (2022年9月28日 10時) (レス) @page38 id: 0e8ab4d39d (このIDを非表示/違反報告)
れむ。(プロフ) - 素敵な夢小説ですめちゃ好きです…😿♡ もっと早く出会っていればよかったなんて後悔してます😵‍💫 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 31e76c62e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼空 | 作成日時:2014年5月19日 23時

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