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27.響いた言葉は。 ページ27

―菅原side―


部活を終えた俺たちは、部室で着替えを済ませたりとゆったりしていた。


なんだか今日は疲れてしまって、俺はほぼ最後。


部室の中には俺と影山の二人だけだった。


同じセッターということもあって、今日はこんなところが良かった、ダメだった、こうしたほうがいい、とアドバイスをしながら帰り支度をしていた。


影山もひねくれたところがあるけど、バレーに関しては誰よりも努力家で、結構根はいいやつだったりするんだよな。


「じゃあ、ああいう場面ではトスの高さを使い分けたほうがいいってことッスよね」

「そうそう」


よし、と鞄を肩にかけて、帰ろうと立ち上がる。


影山はまだ帰んないのかなと横を見ると、影山は部室に貼り付けてあるアイドルのポスターを見ていた。


「影山?」

「!!……あ、スンマセン、ボーッとしてました」

珍しいなーと笑う。


「影山がそのアイドルのファンなのかと思ったべ」

「え?いや、そういうのは興味ないッス」


だよなーと笑って、扉に手をかけた時だった。




「――菅原さんは、年上の人が好きなんですか」



唐突な質問に、え、と振りむく。


そして、ポスターに書かれた『スガ、年上好き』という文字を見て納得した。


「んー……まあ、どちらかというと年上が好みかなあ」


それはあくまで、タイプの話だけど。


俺の言葉に、影山は意を決したように顔を上げる。



「……じゃあ、Aのことは?」


「……え」


どうしてそこでAが出てくるんだろうと疑問に思いながらも、胸には変な違和感。


返答に困っていると、影山が続ける。


「あいつ……菅原さんよりも二個年下ですけど……」


「まあ、そうだね」


「そういう目では、見れませんか」


ここで、うん、というのは何故か気が引けた。


拒否をするのが、なんだか怖くて。



だけど……



「まあ、Aはただのマネージャーだし、そういうのはないんじゃない?」



ヘラっと笑って、口からはこんな言葉が出たんだ。



どこか重い空気。


俺の言葉を聞いた影山は、「そうですか」と返事をして、真剣な顔付きで口を開いた。






「――――俺、Aが好きです」





それじゃあ、と言って、振り返らずに部室を去った影山。



影山の言葉が、何度も何度も頭の中で響いていて。




月明かりに照らされたのは、部室の前で立ち尽くす俺の影だけだった。

28.どうして。→←26.わからない。



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夏斗 - 初コメ失礼します! とにかく始めにお礼を言わせてください! こんな素敵な作品を書いて下さりありがとうございます!! スガさんの小説少なくないですか!? 数少ないスガさんの作品がこんな甘々なんて最高ですよ!! キュンキュンさせて頂きありがとうございました!! (3月10日 0時) (レス) @page48 id: 73bfbf52f2 (このIDを非表示/違反報告)
zgdj - もうキュンキュン超えてギュンギュンしました!笑最高の作品をありがとうございます!🤍 (3月2日 19時) (レス) @page48 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
ぴざまん - あまずっぺえ…良い… (8月11日 19時) (レス) id: 12362f5741 (このIDを非表示/違反報告)
らぅ - 37〜40の一連の想いに涙が止まりませんでした😭 (2022年9月28日 10時) (レス) @page38 id: 0e8ab4d39d (このIDを非表示/違反報告)
れむ。(プロフ) - 素敵な夢小説ですめちゃ好きです…😿♡ もっと早く出会っていればよかったなんて後悔してます😵‍💫 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 31e76c62e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼空 | 作成日時:2014年5月19日 23時

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