【ハイキュー!!】貴方に恋をしたようです。【菅原孝支】

23．モヤモヤと。 ページ23

―菅原side―


頰を引っ張り合っている影山とA。

二人共すごい顔をしていた。


「………………」


二人があんな風にふざけ合ったり言い合いをしてるのはいつものことだけど、なんだかんだで楽しそうだ。

怒った素振りをしてなくてもお互い本気ではなくて、遊んでるのはわかる。


影山だって、女子とあんな風に接するのはAだけ。



そんな二人を見ると、なんか胸の辺りがモヤモヤとした。

いい感じでは、ない。


なんだろう、この感じ。


変に胸が痛くて。

Aが影山と笑い合いながらふざけてるところを見ると、なんか少しだけズキンと胸が鳴る。


「うー……やっぱりきもちわるー……」


なんだかんだで、仲が良いんだ、あの二人は。



及川は、好きの部類ではないと言っていた。

俺のような人が好きだと言ってくれて、ただ純粋に嬉しくて。



でもそれは所詮理想だ。


それじゃあ……


影山のことは、どうなの？


Aがバレー部の中で一番仲が良いのは影山だと思う。


今ももう二人は頬の引っ張り合いはやめていて、影山も珍しく笑いながら話している。


それから、影山が少し乱暴に、Aの頭を撫でていた。


Aも、なんか楽しそうで。



「……………………」




――――触んないで。




「…………んっ？…」


あれ、どうしたんだろ、俺。


何、今の。


なんか、めちゃくちゃ性格悪いじゃん、俺。



「……ハッ…！」


まさか……。





「だ、大地……！」


「ん？どうした、スガ？」





「お、俺、なんか病気かもしんない……！なんか、精神的なアレがあるのかもしんない……！」



どうしよう大地〜とすがるけれど、大地は真顔で俺のことを見ていた。



「そういうの、自分から言えるからまだ大丈夫だ、うん」


「あ、そう……」



こんな状況でアレだけれど。


俺たちにいつも馬鹿にされて流されてる田中はこんな感じなのかなとふと思った。

24．変な。→←22．自覚をして。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す