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18.練習試合。 ページ18

火曜日の放課後。


私たちはバスで、青葉城西高校へ向かった。

バスの中では翔陽が田中先輩に吐いてしまったり暴れたり騒いだりと散々だったが、なんとか無事に着くことができた。

着いても、やっぱり翔陽の緊張は治まらないけれど。



体育館に入ると、皆がおおっと声を上げた。

広い体育館にたくさんの人。

私たちが挨拶をすると、大きな声が返ってくる。

「つ、強そう……!」

「でも、貴重な時間だよ。武田先生には感謝しなくちゃな」

隣にいたスガさんが、青城を見ながら言う。

そうか、たしかに貴重な時間なんだよね。

私も、しっかりと勉強しなくちゃ。



「お願いシアース!」

「シアース!」


そして、練習試合が始まった。

最初は散々だった。

緊張の溶けない翔陽が、大地先輩のボールを奪ってしまったり田中先輩に突っ込んでしまったり。

そして中でも、飛雄にサーブをぶつけてしまったことには、私も背筋が凍った。



「……俺の後頭部にサーブをぶち込む以上に怖いことって……なに?」


ダメだ、怖い、怖すぎる。

翔陽もすごく怖がっているけれど、このおかげで翔陽の緊張は解けたように思える。


第一セット目は取られてしまった。


でも……


「よし、あの変人速攻に青城の奴らもビビってる……!」

スガさんが嬉しそうに呟いた。


翔陽の人間離れしたスピードとジャンプ、飛雄の人間離れしたトスのコントロール技術。

その二人がいるからこそ、他のスパイカーたちも活きてくる。


ピーーー!


「やった!一セット取れた!」

第二セットは、烏野高校が取ることができた。


皆にタオルとドリンクを渡す。

「それにしても、あっちにすげえ奴とかいなくてよかったな」

「ああ」


先輩たちの会話に私も同じように思う。

しかし、飛雄はタオルで汗を拭きながら、真剣な目つきで言った。



「油断ダメです。きっとあっちのセッター、正セッターじゃないです」


飛雄の言葉に、皆が「えっ」と目を丸くした。


その直後、体育館に黄色い声が響く。


「きゃーーー!!!」

「及川さーん!!!」


振り向くと、青城側には一人の人が増えている。


「及川、足はもういいのか」


「バッチリです。もう通常練習もいけます」


笑顔でそう言う『及川』と呼ばれる人は、こちらに振り向き、ピースをしてこう言った。




「やっほー飛雄ちゃん。元気に王様やってるー?」

19.大王様とは。→←17.明日です。



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夏斗 - 初コメ失礼します! とにかく始めにお礼を言わせてください! こんな素敵な作品を書いて下さりありがとうございます!! スガさんの小説少なくないですか!? 数少ないスガさんの作品がこんな甘々なんて最高ですよ!! キュンキュンさせて頂きありがとうございました!! (3月10日 0時) (レス) @page48 id: 73bfbf52f2 (このIDを非表示/違反報告)
zgdj - もうキュンキュン超えてギュンギュンしました!笑最高の作品をありがとうございます!🤍 (3月2日 19時) (レス) @page48 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
ぴざまん - あまずっぺえ…良い… (8月11日 19時) (レス) id: 12362f5741 (このIDを非表示/違反報告)
らぅ - 37〜40の一連の想いに涙が止まりませんでした😭 (2022年9月28日 10時) (レス) @page38 id: 0e8ab4d39d (このIDを非表示/違反報告)
れむ。(プロフ) - 素敵な夢小説ですめちゃ好きです…😿♡ もっと早く出会っていればよかったなんて後悔してます😵‍💫 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 31e76c62e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼空 | 作成日時:2014年5月19日 23時

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