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12.条件。 ページ12

――――それからの翔陽と飛雄は、とにかくすごかった。


人間離れした高いジャンプに、ドンピシャの場所へ確実にボールを持って行くトス。


二人に周りは驚くばかりで、気がつけば試合は終了していた。


もちろん勝ったのは、翔陽と飛雄。


勝ってヘトヘトの状態な二人だったけれど、大地先輩にクシャクシャの入部届を渡していた。


それから私も含めて一年生が呼ばれる。


「うほー!!!」


感動している翔陽の手にあるのは、『烏野高校排球部』と書かれたジャージ。


私もさっそく袖を通す。


「おっ!A似合ってるべ!」

「……!」

笑って頭を撫でてくれるスガさん。

ありがとうございます、という声は、少し小さすぎただろうか。



「これから烏野高校排球部として、よろしく!」


先輩たちの声に、私たちは「はい!」と大きな声で答えた。


ジャージ、嬉しいなあ。

袖を見ながらニヤニヤしていると、横から嫌みったらしい声。


「プッ、一人でニヤニヤしてるし」

「!?…な、何よ、見ないでよ!」

「別に見たくて見たわけじゃないしー」

「ムッカつくなあ!つきし…………蛍!」


ずっとフルネームというのも面倒だし、違和感しかない。

同じ一年生だし、と呼んだ名前。


「は?いきなり呼び捨てなの」

「ツッキーはツッキーだよ!」

「山口うるさい」

「ごめんツッキー!!」

「なんでダメなの、いいじゃん!よろしくね、蛍、忠」


よろしくーと笑う忠に対して、ジトっと睨みつける蛍。

なんだかんだで仲良くなれそうだ。



「組めた!組めたよー!」

皆声のした方を振り向く。

そこには先生が立っていて、バレー部の顧問だろうかと私は体を向けた。


「一年生の皆、初めまして。顧問の武田一鉄です」

バレーの経験は未経験だけれど、すごく優しそうな先生。


そして武田先生は、紙を見ながら話していった。


武田先生の話によると、来週の火曜、青葉城西高校との練習試合をすることに決まったらしい。

4強と呼ばれる強い学校のようだ。

皆、その話を聞いて喜びに声を上げる。


だけど……



「条件があってね……

"影山をセッターとしてフルで出すこと"」



「えっ……」


飛雄を?


ってことは、スガさんは……。


彼を見ると、気まずそうに視線を泳がせていた。

13.私は。→←11.悲しそうな。



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夏斗 - 初コメ失礼します! とにかく始めにお礼を言わせてください! こんな素敵な作品を書いて下さりありがとうございます!! スガさんの小説少なくないですか!? 数少ないスガさんの作品がこんな甘々なんて最高ですよ!! キュンキュンさせて頂きありがとうございました!! (3月10日 0時) (レス) @page48 id: 73bfbf52f2 (このIDを非表示/違反報告)
zgdj - もうキュンキュン超えてギュンギュンしました!笑最高の作品をありがとうございます!🤍 (3月2日 19時) (レス) @page48 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
ぴざまん - あまずっぺえ…良い… (8月11日 19時) (レス) id: 12362f5741 (このIDを非表示/違反報告)
らぅ - 37〜40の一連の想いに涙が止まりませんでした😭 (2022年9月28日 10時) (レス) @page38 id: 0e8ab4d39d (このIDを非表示/違反報告)
れむ。(プロフ) - 素敵な夢小説ですめちゃ好きです…😿♡ もっと早く出会っていればよかったなんて後悔してます😵‍💫 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 31e76c62e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼空 | 作成日時:2014年5月19日 23時

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