記憶の欠片が6つ ページ8
「おれは……」
「トシー」
「こ…近藤さん!?」
……誰だ?
……仲間を呼んでいたのか…
はぁ……
《人は生まれながらに弱さを抱えて生まれてくる生き物です
それは人格的な欠陥かもしれない
容姿であるかもしれない
生まれた境遇かもしれない
誰もがそれぞれ折り合いのつかない自分を抱え苦しんで生きている
残念ながらその苦しみから逃れる術はありません
ですが抗う事に苦しむ事もできる
自分の弱さに翻弄され苦しむだけではない
自分の弱さと向き合い、
抗い、
変わろうと苦しむ事もできる》
「……変わろうと……苦しむこともできる……」
「!?」
……あれ?
どうして……
「……」
私はそのまま倒れた
気を失う直前まで…こう思っていた
「ああ……
私は死ぬんだろうな……」と
次に目を覚ましたらどこかわからない所に寝ていた
「あ…
目が覚めました?」
……誰だろうか……
「ああ
私は沖田 ミツバ」
「……刃轜花 A」
「ばにか……さん?」
「コクン」
……鎖は……
付けられていない?
「……どうしてあなたは
私を閉じ込めない」
「?
どうして閉じ込める必要があるの?」
「………私は……
咎人……」
「そうかしら?
私にはただの可哀想な人にしか見えないわ」
………不思議……
私に笑顔を向けてくれる人がいるなんて……
「どうして刀を?」
「……気付いたときからあった
そして気付いたときから咎人」
「……そう……
ねぇAさん
ご飯食べる?」
「……いや……
要らない
私はもう出る」
「そう……(´・ω・`)シュン」
女は悲しそうな顔をした
……何だが、看病もしてもらったし申し訳無いか……
「…やっぱりまだ良い
ご飯を食べてから出る」
そう言うと、女はパァァと目を輝かせて私の方を見た
「もうすぐご飯ができますからね!」
……元気だな……
……私はその時、嬉かったかもしれない…
私に笑顔を向けてくれる人がいたと
心が……
ポカポカしたと……
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作者名:神無 | 作成日時:2016年3月17日 17時