記憶の欠片が３３つ ページ36
「んーにくむ？って言うのないね」
「うん……
刺青の謎もわからない」
「刺青？」
「……なんでもない
アザみたいなもの」
「アザ？
それってどれくらいの？」
「……太股にある」
「見せれる？」
「…なんかや」
「そうか……
ごめんね」
「フルフル
………太股は……
その……
恥ずかしい」
「そうか……」
「雨止んだ
外散歩してくる」
「ああ
ちゃんと帯刀していくんだよ」
「わかった」
私はそのまま、散歩に出掛けた
「……カラス……」
カラスが飛んでる……
ズキッ……
「いっ…」
なに！？
《どうして＿＿は裏切ったの？》
《関係ない》
《いっつもそう
あなたはどうして……
私なんかに……》
《関係ない》
《……どうして……こんなものが出るの……》
《……悲しんでいるから》
《悲しんでいる？》
《心が哀しんでいるから
そんなものが出る》
《＿＿を守れなかったことを…
悲しんでいるの？》
《知らない
詳しいことは知らない
でもあなたは、それを選んだ
＿＿を裏切ってでも、
守りたいと思ったから》
《守りたい……》
《それはあなたの決断だから
私には関係ない
私は部下のアシスタントをしただけ
この先、あなたがどうするかは、あなたが決める
＿＿についていくもよし
＿＿を斬り、＿＿に忠誠を示すもよし
あなたの好きにする
あなたの判断に委ねる》
《……わからない……
どうして……
あなたは……自由に生きれるの…》
《自由に生きてるつもりはない
自由に生きてると思うのなら、
それは、あなたに何かが足りない》
《何かが…？》
《私はその何かを知らない
あなたが知ってるの》
《私が…》
《それだけ》
《どこに…》
《あなたには関係ない》
！？
私は……？
「なにもの……」
「え？
俺？
俺は神威だよ
よろしくネ」
「！？」
独り言で言ったつもりが…
返事が返ってきた？
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作者名：神無 | 作成日時：2016年3月17日 17時
