記憶の欠片が27つ ページ30
「……振りが甘い
脇を締める」
「は……はい!」
「あと200回」
「わ…
また、Aさんに言われてるよ……」
「刃轜花補佐官も酷だよなぁ」
「か弱い女をいたぶって内心、微笑んでいるんだろうな……」
「だから気の弱そうな女の子を?」
「女は怖ェな…」
コソコソ話す暇があんなら昇進しろっつーの
平隊のくせに
「……あなたたち、それじゃあ敵に殺される
くっちゃべる暇があるのなら素振りでもしときなさいな
なんなら私が直々に、稽古付けて殺りましょうか?」
私は飛びっきりのゲス顔で言う
「遠慮しまーーーす!!!!!!!!」
意気地無し
「Aさん!!
カッコイイです!!」
「手を動かす」
「あ……はい……
いっ……」
「!?
どうしたの?」
「マメが……」
「……素振りあと、5回やったら私の部屋に来て」
「すみません……」
「……別に」
なんでもないし
「これで今日の稽古はおしまい
各自、仕事につけ」
「「「「はいっ!」」」」
私は自室に戻った
コンコン
「あの……すみません……
神無ですけど……」
「入って」
「はい……
失礼します」
「手を見せて」
「はい……」
「……怖がらなくて良い
あなたは家の為にここにいるのでしょう?
別に、あなたを虐めようとはしていない」
「あ……はい……」
「ちょっとチクってする」
「はい……いっ……」
「マメで痛いでしょ?
痛いのを取り除くには、潰すしかないの
後は大丈夫だけれど、
それだけ稽古をサボってないってことね」
「…Aさんは……
マメ出来たことないんですか?」
「マメは同じところを使うから
私の手は、固くないわ
男特有のものでもない
稽古を……
竹刀を振るうときは、手袋かなにかをしなさい
そうすればマメはできにくい」
「ありがとうございます!」
「礼を言う暇があるのなら力を付けること」
「はい……(T_T)」
「……でも、嫌って訳でもないわ」
「!」
「早く仕事に行きなさい!」
「はい!」
…現を抜かしているときではないのは知っている
でも……ね……
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作者名:神無 | 作成日時:2016年3月17日 17時