記憶の欠片が9つ ページ11
……顔すらも思い出せない人……
きっと私にとって大事な人だったんだろう……
「……そういえば、恐らく、
私に刀をくれた人もさっきの人でしょう」
「なんで……でィ」
「……気が付いたときには刀を持っていた……
人を殺めていた」
「……そうですかィ……」
「……ごちそうさま」
「?
もう良いのかィ?」
「お腹空いていない」
……あんな夢見たあとに、ご飯なんて食べるもんじゃないわ
ま、私が言えないか……
『鬼神姫』なんだから……
……そりゃー人が食べないものも食べてきたわ
”人の肉“とかもね
「……」
「あ!
Aちゃん
今日の見回り私なんです
よろしくお願いします」
「………モブさんよろしくお願いします」
「モブさんじゃなくて神山ですよ」
「…声デカイ……」
「取り柄ですから!」
……誰だよ…
これなら沖田の方がまだマシだ
「見回り、どこ」
「ややっ!?
聞かされていないので?」
「……三秒以内に言って
さもないと逝かすよ」
「それは失敬を
かぶき町全域ですよ」
「……この極寒の中で、全域……
さすが鬼の副長」
「申し訳ありません
パトカーは必要最低限しか利用されないので」
「……っち……
仮にも私は女なのに」
「仮にも?
あなたは女性では?」
「……女が刀振り回せる?
女が、男を刀で捩じ伏せれる?」
「それは失敬を」
ま、今日は寒いから近藤さんはカイロを持たせてくれてはいるけど……
今度、松平公に進言しよ
女性用の隊服作ってもらお
冬服と夏服作ってもらお
そうと決まれば電話しなきゃ
私は、見回りをしながら、携帯電話で松平公と話をしている
《冬服とォ
夏服だァ?
おいおいAちゃん
ふざけてんのォ?》
「松平公
ただ私の服は男物でしょ?
胸はキツいし
ウエストもガバガバ
しかも、ズボンもガバガバ
これ嫌だから
なんとかならないかって話」
《だがなァ……》
「ほら見廻組の信女
あの服でも良いし
もっとアレンジ加えても良いですから」
《冬服をテメェに作ると厄介になるんだがなァ》
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作者名:神無 | 作成日時:2016年3月17日 17時