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「あ、来た」
ドヨン先生が私を見てそう声をもらす。
カウンター席にはドヨン先生とテヨンさんが座っていて、中に悠太さんがいた。
先生はいつものスーツではなくシンプルなスウェットを着ていて、髪も少し湿っているようでお風呂上がりらしかった。
そこらでよく見かける大学生のような姿に、思わず心臓が変な音を立てる。
「あれ先生、お風呂入った？」
「ああ、ここスタッフ用の風呂があるんだよ
なあ、お前腹減ってんの？」
「え？うん、普通に」
当たり前のことを聞き出すドヨン先生に思わず首を傾げる。
「ドヨン夜中に飯誘って彼女にブチギレられたことあるんだよ、だから気にしてんの」
「ヒョン、余計なこと言わないで良いです」
テヨンさんが揶揄うようにそう突っ込むと、先生はうざそうに目を細めて、目の前に置かれた料理を口へと運ぶ。
「先生、彼女いるの？」
「お前まで何言ってんだ」
彼は呆れたようにため息をつくと、困ったように眉根を寄せる。
口だけもぐもぐと動かしている姿がうさぎみたいで、思わず吹き出しそうになる。
「絶対誰にも言わないから教えて」
「そう言って言いふらすのが女子なんだよな
ま、別に今はいないから良いけど」
そっか。
いないんだ。
まあ、いたら今ここにいないか。
だってこの時間に仕事が終わったら、普通は彼女に会いに行くはずだ。
私、迷惑かけてるんだな、なんて考えが頭をよぎる。
本来なら帰れたこの時間に、先生は私のために時間を割いて、わがままを聞いて一緒にいてくれている。
教師なら当たり前と言われればそれまでかもしれないけど、少なくとも私は、ここまでしてくれる先生に出会ったことがなかった。
「A、こっち」
テヨンさんと先生が隣同士で座っていて、私はどこに座ろうかと迷っていると、テヨンさんが首を動かして自分の隣を促した。
「あれ？知り合いなんふたり」
「さっきランドリーで会った」
悠太さんが急に笑い出す。
「ふはっ
さっき会ったばっかやのにもう呼び捨てとか、なんて言うか、ほんまに変なやつやなあ」
言葉だけ受け取ると一見貶しているように感じるかもしれないけれど、そう言いながらテヨンさんを見つめる悠太さんの瞳はとても優しげで、親が子どもを見つめるような、そんな慈しみに溢れた視線だった。
きっと私が想像しているより何倍も長い付き合いで、お互いを信頼しあっているんだろう。
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JAEDON - 久し振りに凄く素敵なお話に出逢えました！ありがとうございます。主様のペースで更新これからも頑張って下さい。陰ながら応援しています。 (2020年12月25日 12時) (
レス) id: 5ef0140241 (このIDを非表示/違反報告)
すぐる(プロフ) - ズさん» ズさんコメントありがとうございます(；；)ドヨンもジェヒョンも書くのが得意では無いのでそう言っていたどけてとても嬉しいです(><)入試で忙しくなるので不定期更新になりますが気長にお待ちいただければ幸いです。ありがとうございます^^* (2020年12月18日 7時) (レス) id: dbff4f3590 (このIDを非表示/違反報告)
ズ(プロフ) - 凄く好みのお話ですぐ引き込まれました＾＾更新楽しみに待ってます。 (2020年12月16日 15時) (レス) id: 5074d81f67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すぐる | 作成日時：2020年11月11日 22時
