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「……あの」
「何」
「お名前を伺っても宜しいでしょうか」
「イ・テヨン
悠太の友達、共同経営者」
「あ、なるほど……」
点と点が線で繋がるように納得がいった。
やっぱりお店の人だったのか。
「で、ドヨンのこと好きでしょ」
「！？」
またしても突拍子のないテヨンさんの発言に、私は思わず胃から何かがせりあがってきそうな感覚に襲われる。
「そんなわけないです、私失恋したばっかりですし、先生のことそういう目で見れないです」
「ふはっ
ドヨンもちゃんと先生やってるんだ、意外」
まただ。
私の知らない先生の話。
私は今の、規律に厳しくて雑談にうるさい堅物ドヨン先生しか知らないから、真反対の一面を覗かせる単語がたくさん出てきて、頭がこんがらがりそうになる。
「名前教えて」
テヨンさんがそう言うので自分の名前を告げると、いい名前だね、と言ってくれた。
「これは俺の直感だけど」
テヨンさんは私より一足先に生まれ変わった自分の服を洗濯機から取り出して、持参していたかごに放り込む。
ずいぶん服があるんだな。
「Aはドヨンを好きになるよ、絶対」
そう言って、テヨンさんは洗濯機の蓋を占める。
バタンという大きな音とともに、時間が止まったような感覚を覚える。
言葉の意味を咀嚼するのに時間がかかり、まるでビデオが急に一時停止してしまったかのようだ。
私がドヨン先生を好きになる？
しかも、きっとではなく、絶対に？
そんなことが有り得るのだろうか。
そもそも、そんなことがあって良いのだろうか。
否、良いはずがない。
私は生徒で、彼は先生なのに。
あれ、でも、ジェヒョンくんと1歳差なんだよな、ドヨン先生って。
「終わったら下来て、夕飯食べてるから」
テヨンさんの変に気の抜けた眠そうな声が耳に入るまで、そんなことを悶々と考えていた。
気づくとテヨンさんはランドリーにはいなくて、私の洗濯物を完璧に洗い上げた洗濯機が、役目を終えたことへの賞賛を求めるように甲高いアラーム音を立てていた。
慌てて中から服を取り出す。
『Aはドヨンを好きになるよ』
動いている間も、テヨンさんのその言葉が頭に焼き付いて離れなかった。
私が惚れっぽい女に見えるとかそういうことではないと思うけれど、いかんせん言葉の真意がよくわからない。
その意味を考えながら服を部屋に干して、私は1階の喫茶店スペースへと降りていった。
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JAEDON - 久し振りに凄く素敵なお話に出逢えました！ありがとうございます。主様のペースで更新これからも頑張って下さい。陰ながら応援しています。 (2020年12月25日 12時) (
レス) id: 5ef0140241 (このIDを非表示/違反報告)
すぐる(プロフ) - ズさん» ズさんコメントありがとうございます(；；)ドヨンもジェヒョンも書くのが得意では無いのでそう言っていたどけてとても嬉しいです(><)入試で忙しくなるので不定期更新になりますが気長にお待ちいただければ幸いです。ありがとうございます^^* (2020年12月18日 7時) (レス) id: dbff4f3590 (このIDを非表示/違反報告)
ズ(プロフ) - 凄く好みのお話ですぐ引き込まれました＾＾更新楽しみに待ってます。 (2020年12月16日 15時) (レス) id: 5074d81f67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すぐる | 作成日時：2020年11月11日 22時
