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湯加減の良いお風呂から上がって悠太さんが用意してくれた部屋着のスウェットに着替えると、一気に暗い気持ちが洗い流されたような気がした。
悲しい気持ちは依然として胸の奥底に残っているけれど、心臓を覆っていた黒い霧が晴れたみたいだ。
お風呂って大事なんだな。
というより、落ち着ける状況を作ることが大事なのか。
そんなことを考えながら、脱いだ服を持ってランドリーへ向かう。
「……あ」
ランドリーのドアを開けると、男の人が座ってスマホをいじりながら、自分の洗濯物が生まれ変わるのを待っていた。
私に気づくと面倒くさそうに目線を動かす。
雪よりも白いのではないかというような髪の色をしていて、いくつも開けられた耳の穴に、形の違うピアスが無造作に付けられている。
真っ直ぐな鼻筋に、透明感溢れる肌のきめ細やかさ。
強い光をたたえる大きくて形の良い瞳。
どことなく儚げな印象を残す桃色の薄い唇。
人形かと思った。
それくらい、綺麗な人だった。
「ドヨンの女だ」
氷を刃物で削り取るような鋭い衝撃が脳天を刺激する。
なんだって？
今、この人はなんて言った？
「ドヨンの、女……？」
「あれ、違うの」
言葉を交わすのも面倒くさそうにそう言う彼は、やっぱり近くで見ると人間離れした顔立ちをしていて、その造形の良さと心地の良い低音に圧倒されそうになる。
「ち、違います。生徒です」
「あれ、高校生？
ずいぶん大人っぽいから同い年かと思った」
どういうことだろう。
確か悠太さんは、今日は私ともうひとりの他にお客さんはいないと言っていた。
ということは、この人はお店の人……？
「洗濯しないの」
怪訝そうにそう言うその人の言葉ではっと我に返り、洗濯物の存在を認識し直す。
「します、けど」
「使い方わかる？うちの結構昔のやつだけど」
そう言われて洗濯機を見ると、なるほど確かに勝手がわからない。
私の家の洗濯機は最新式のものなので、このタイプの洗濯機は使ったことがないのだ。
悠太さんに迷惑をかけるのも悪いと思って、なあなあで返事をしてしまったのがいけなかった。
するとその人が立って、洗濯機のボタンを逐一説明してくれる。
「で、ここ押したら待つだけ」
「あ、ありがとうございます」
お礼を言って洗濯物をぶち込み、言われた通りにボタンを押すと、万能な機械は服を飲み込むかのごとく大きな音を立てて動き始めた。
洗い終わるまで待つため、私も椅子に腰かける。
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JAEDON - 久し振りに凄く素敵なお話に出逢えました！ありがとうございます。主様のペースで更新これからも頑張って下さい。陰ながら応援しています。 (2020年12月25日 12時) (
レス) id: 5ef0140241 (このIDを非表示/違反報告)
すぐる(プロフ) - ズさん» ズさんコメントありがとうございます(；；)ドヨンもジェヒョンも書くのが得意では無いのでそう言っていたどけてとても嬉しいです(><)入試で忙しくなるので不定期更新になりますが気長にお待ちいただければ幸いです。ありがとうございます^^* (2020年12月18日 7時) (レス) id: dbff4f3590 (このIDを非表示/違反報告)
ズ(プロフ) - 凄く好みのお話ですぐ引き込まれました＾＾更新楽しみに待ってます。 (2020年12月16日 15時) (レス) id: 5074d81f67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すぐる | 作成日時：2020年11月11日 22時
