未解決事件-22 ページ32
DL「そうだよ。入って?」
ニコニコと笑う彼に夕方の傾いた日差しが逆光となって彼を照らし出した。
少しずつ目が慣れてきたと思ったら、ダニエルヒョンが俺を睨んでた。俺でもゾクゾクしてしまうような、まるで死を迎えるようなそんな目。
DL「貴方は、チョンジョングク、22歳だね?」
「はい、そうですよ。」
すると彼は数ある多量のファイルの中から、ある一人の女の子の写真を見せてきた。
DL「この子…知ってる?」
彼が持っている写真の中に映っているのは紛れもなく、小学生だったAで。
「…。知りませんよ。誰ですか?」
俺が答えると彼はふっと笑い、顔を近づけてきた。思わず顔を退けた。
「な、何ですか、」
DL「兎みたいな顔だね。嘘、付いちゃダメだよ。可愛い兎さん?」
まるで、子供に言っている様な口調で、無性に腹が立った。子供扱いされるなら、いっそのこと言ってしまおう、そう思ったその時、彼がスッと椅子に座り直した。
DL「ま、君には関係無いんだけどね。」
「…。で、その子、誰なんですか?」
俺が最後にもう一度だけ彼に聞くと、彼は小さく微笑み、こう言った。
“俺の未来のお嫁さん。”
…………とね。
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作者名:nagome★ | 作成日時:2020年1月4日 23時