26話 ページ26
ここは食堂、訓練場、シャワー室や浴室などを巡る。忘れないように頭に叩き込む。外から見た以上の広さがあるように思うこの建物は、大きく３つに分かれており、王族が住むお城、幹部が住む幹部棟、そして一般兵や使用人たちが暮らす一般棟がある。
一々移動するには階段やエレベーターを駆使し昇り降りを繰り返し、長い通路を通る必要がある。ざっくりとは覚えたが今日だけではとても覚えられそうになかった。
｢コネちゃんとかは未だに迷子になるから、ゆっくり覚えてくれればいいよ｣
という言葉で、気が少し楽になった。コネシマさんよりは早く覚えられそうだ。
｢では、次は図書館に向かいましょうか！｣
パンと手を叩いてエーミールさんが微笑んだ。
エーミールさんが大きな木製の扉を押し開く。ギィと重そうな音を立てる。
｢どうぞ。ここが私の管理する資料室兼図書館です。｣
中に入ると、少しのホコリといっぱいの紙の香りが広がる。目に映るのは背の高い本棚とそこに入るたくさんの本、本、本。壁際の本棚は天井にまで及び、２階層に別れている。はしごがそれぞれかけられており、木製のそのはしごがいいアクセントになっている。
『うわぁ……！』
と思わず声が漏れた。父と母が私に文字を教えてくれたおかげで、本は読める。長い文庫本は高くて読んだことは無かったが、絵本などは数冊持っていたため何度も何度も紙がクタクタになるほど読んだ。
｢ここの本は、持ち出さなければ自由に読めますし、持ち出す時は、期限はありますが私に声をかけていただければ持ち出せますよ。｣
｢俺もよく使わせてもらってるよ。世界中の本があるから、俺の故郷の本もあるんだ。Aの国の本もあるかもね｣
『ほんとですか！私本読んで見たかったんです！』
嬉しくて年甲斐もなく飛んで喜ぶ。2人はその後おすすめの本を沢山教えてくれた。エーミールさんが私だけ特別に期限なしで本を貸してくれることになった。読み終わったら返すと約束をした。さらに言葉まで教えてもらう事になった！
ウキウキと本を抱える。その本をひとらんさんが私から取り近くの机に置いた。
｢まって、もう1箇所紹介したい所あるんだ。｣
｢ああ、そうでしたね。本は後で部屋にお届けしますよ！行きましょう！｣
2人に手を引かれて歩き出す。その足はこの城の外へ向かっていた。
続く (更新停止中)
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@鬼 - まじ、推しが尊い(真顔)更新頑張って下さい!! (2021年5月3日 20時) (
レス) id: 98b100c2bc (このIDを非表示/違反報告)
猫大好き - あー面白すぎ!私、ショッピ君にお姫様ってよばれたい!!!!!!!!ゆっくり更新してください (2020年8月22日 16時) (レス) id: 932515d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
しゆ(プロフ) - ひゅうさん» ひゅうさんありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです！これからも頑張ります！ (2020年6月10日 12時) (レス) id: 83f7b97a4e (このIDを非表示/違反報告)
ひゅう(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！これからもがんばってください！ (2020年6月9日 20時) (レス) id: 11002cd545 (このIDを非表示/違反報告)
しゆ(プロフ) - 一月鈴華さん» 一月鈴華さんコメントありがとうございます！楽しんで頂けて光栄です…！これからも頑張ります！ (2020年6月4日 19時) (レス) id: e2bc21a10a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゆ | 作成日時：2020年6月1日 0時
