3話 ページ3
部屋を一通り整理し、備え付けのベッドに腰かける。このベッドも安物ではないようで、今まで割と質素な暮らしをしてきた私には、使ったこともないような代物だった。
さぞ寝心地は良さそうだ。
さてこのあとはどうしようか。この城に来たのは午後2時頃。色々とやることをやって今はすっかり夕方だ。そろそろお腹も空いてきた。そういえば先程の先輩メイドが、ご飯は基本的に食堂で取るのだと言っていた。
食堂の場所は何となく覚えている。私は食堂に向けて足を動かした。
廊下を歩いていると、向こうからオーバーオールにニット帽というこの場所には全く似つかわしくない格好の人物が歩いて来た。
あまり関わりたくないので、極力隅の方を歩く。ぺこりと頭を下げすれ違おうとすると
｢おい、｣
と声をかけられた。まさか声をかけられると思っていなかったので、内心びっくりしながらも
『はい、いかがなさいなさいましたか？』
と全く表には出さないように、にこやかに笑いかけた。
その人は何故か少し目を見開いたあと、
｢い、いや。見ない顔やったからつい声かけてもうた。君、新人さん？｣
と問うてきた。見ない顔って、ここのお城広いしそこそこの人数の使用人がいると思うのだが、まさか全員覚えているのだろうか。
｢君みたいなかわいい子、おらんかったよな？あ、俺シャオロンって言うねん！よろしくな！｣
と手を差し出してきた。かわいい子って…言われ慣れてないため恥ずかしくなるが、ポーカーフェイス決め込み、先程と極力表情を変えないようにしながら
｢今日からこちらに務めさせて頂く事になりましたなりました。新人メイドのAと申します。これからどうぞよろしくお願いいたします。｣
深く頭を下げた。母親から人間第一印象が大事と口酸っぱく言われてきた。あまり人と交流してこなかった私にとってとても大事な言葉だ。
顔を上げると、少し顔を赤くしたシャオロン？さんがまだ立っていた。なんだまだなにかあるのか。
｢Aさんっていうんか…ええ名前やな！あー…と、せや！これからどこ行くん？俺が案内したろか？｣
これは嬉しい申し出だ。実は道に迷っていた。
『食堂へ向かおうと思っておりましたが、少し道に迷ってしまって…もしよろしければ案内して頂けると助かります。』
彼はぱあっと顔を明るくさせ、
｢もちろん！｣
と言って私の手を引いて歩き出した。
……なぜ手を繋ぐ必要が？？？？？
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@鬼 - まじ、推しが尊い(真顔)更新頑張って下さい!! (2021年5月3日 20時) (
レス) id: 98b100c2bc (このIDを非表示/違反報告)
猫大好き - あー面白すぎ!私、ショッピ君にお姫様ってよばれたい!!!!!!!!ゆっくり更新してください (2020年8月22日 16時) (レス) id: 932515d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
しゆ(プロフ) - ひゅうさん» ひゅうさんありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです！これからも頑張ります！ (2020年6月10日 12時) (レス) id: 83f7b97a4e (このIDを非表示/違反報告)
ひゅう(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！これからもがんばってください！ (2020年6月9日 20時) (レス) id: 11002cd545 (このIDを非表示/違反報告)
しゆ(プロフ) - 一月鈴華さん» 一月鈴華さんコメントありがとうございます！楽しんで頂けて光栄です…！これからも頑張ります！ (2020年6月4日 19時) (レス) id: e2bc21a10a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゆ | 作成日時：2020年6月1日 0時
