戦争屋の短編集２ (ページ22)

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熱(rbr) ページ22

『よいしょ！』

体育館倉庫に部活の道具を片付ける。バスケ部のマネージャーをしている私は、部活が終わると道具を倉庫に片付ける。バスケ部のマネージャーは3人いるが2人は用事があって部活に来れず、今日は1人でマネージャーの仕事をしていた。

｢あれ、今日A1人なん？｣

入口の方から声がし、見るとバスケ部の主力選手のロボロくんが立っていた。彼は、背は低いが持ち前の運動神経と反射神経で素早くコート内を縦横無尽に走り回り、チームの勝利に大きく貢献していた。実は私の憧れでもある。

『うん、今日は2人とも用事があって部活に来れなくなっちゃったみたいなの。』

｢そうなんや…まだちょっとあるやろ？手伝ったる｣

入り口近くに移動させていた道具の重そうなものをもって運んでくれる。心がないと言われるロボロくんだがこういう時率先して助けてくれたり、困っている時いち早く気づいて手伝ってくれるのだ。

『ありがとう、ロボロくん。いつも本当に助かってるよー！』

よしよしと頭を撫でる。顔を赤くしつつも少し不満そうな顔のロボロくんの顔が見えた。

『ふふふ、ロボロくん本当にかわいいな～。弟みたい』

｢弟…？｣

突然ロボロくんの目が鋭くなる。ドンと強い力で壁際の跳び箱に押し付けられた。私よりも少しだけ高い位置にあるロボロくんと目が合う。

『え、ロボロくん…？どうしたの？』

｢Aは俺の事弟だと思ってたん？俺はちゃうで｣

少しずつロボロくんの顔が近づいてくる。思わずぎゅっと目をつぶった。

『ひゃっ！ロボロくん！？』

ぬるりと首筋になにかが這う。吐息が首筋にかかりくすぐったい。

｢ん、しょっぱい…｣

カッと顔が熱くなる。抜け出そうとするが右手は手首がガッチリと固定され、左手は指を絡ませた上で固定されていて抜け出せない。

『ろ、ロボロくん！』

｢A。俺はさ弟じゃなくて、こういう風にAのこと思ってるんやで？｣

しっかりと目を合わされる。濃いピンクの瞳から目が離せない。

｢ちゃんと男として意識してや？好きなんやで？Aのこと。｣