戦争屋の短編集２ (ページ14)

今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:19,216 hit

髪(shp) ページ14

腰まで長く伸ばしていた髪を私は肩までバッサリと切り落とした。私の初恋は、昨日終わりを迎えた。

初めて恋をしたのは1つ上の先輩で、彼に近づくために、サッカー部のマネージャーになった。委員会も同じものを選んで、頑張って話しかけて。

『先輩！おはようございます！』

なんて馬鹿みたいに毎日挨拶した。

｢おはよう！今日もかわいいね～｣

って返してくれるから脈があるかも！って思うじゃないか。勉強で分からない事が事があった時は、図書室で2人で勉強してくれた。

問題が解けると偉いなーと言って頭を撫でてくれたじゃないか。髪が長い子が好きって言うから、頑張って髪も伸ばしたのに。

先輩には、先輩よりさらに一個上に彼女がいた。美しく艷めく黒で腰くらいの長さの髪で、優しそうな人だった。

負けたって素直に思った。

短くなった髪を見た、幼なじみは驚いたような顔してた。いつも私の話を聞いてくれてアドバイスしてくれた彼は幼稚園の頃から一緒にいた。彼の名前はショッピという。

ショッピはずっと前から好きな人がいるんだって言っていた。ショッピは、整った顔立ちに、ふわふわの茶色の髪。気持ちを伝えればきっと恋は実ると私は言っていたけど、ショッピはいつも寂しそうな顔で

｢俺には無理や…｣

って言ってた。ショッピにこんな顔をさせるショッピが好きな人が気になっていた。

でも今日は、ひたすら泣きながらショッピに愚痴る。頭を撫でてくれながらショッピは、話を聞いてくれた。短くなった髪をサラリと梳く。

『うう、ショッピ…私もうダメだよ…』

困ったように笑いながら、うんうんと話を聞いてくれる。

｢俺は、好きやで。短い髪の方が。｣

え？とショッピを見る。

｢Aの癖のある髪も、元気ででもちょっとドジな所も、何かあるとすぐ俺に相談して来るかわいい所も大好きやで？｣

『茶化すのはやめてよ…だってショッピには好きな人がいるんでしょ？』

そうは言うが、ショッピの顔はとても真面目で、茶化してるようには見えない。

｢Aやで。俺が好きだったの。お前の気持ちを尊重したくてずっと我慢してたんや。でももう我慢する必要ないよな｣

私の手を握ってぐいと顔を近づける。私の目をしっかりと見つめて

｢ずっと前からAのことが好きでした。俺と付き合ってくれませんか？｣