戦争屋の短編集２ (ページ12)

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こちょこちょ(cn) ページ12

廊下を歩いていると前にチーノが歩いているのが見えた。

いつもイタズラされてばかりなのでたまには仕返ししてやろう…と思い付き、足音を忍ばせて近づく。

『この前の麺つゆの恨み！覚悟！！！』

と言って脇腹をがしっ！とつかみこちょこちょ攻撃を仕掛ける。

｢うぉっ！！あはははは！ちょっと！誰！？あはは！！やめっ！！！あはは！Aさん！！！ちょっと！！あははははははは！！！やめろって！あははは！｣

するとチーノは長い手足を駆使し、私の手を抑えた。そのまま壁に押し付けられる。

｢形勢逆転ですね？Aさぁん？？？｣

さぁっと顔から血が引く。

『チーノさん？私はただこの前の仕返しをね？チーノさん？ちょっと交渉しましょう？ね？』

｢え？この前の？何の話ですかァ？？？｣

チーノは私の両手を方でつかみ上に固定する。もう片方の手をワキワキとさせ脇腹に手を這わせ…

『あははははははは！！チーノ！ちょっとやめて！！あははははははは！チーノったら！！やめ！あはは！！！無理だって！！あはははは！！』

笑いすぎて涙が出てきた。足をばたつかせるが足もチーノの長い足が絡まっていて自由に動かせない。

『あはは！はぁっはぁ…チー…ノはあ…やめてってば…あははは！！はぁ、はぁ』

呼吸も怪しくなってきた。チーノの方を睨みつける。するとチーノはピタリと動きをとめた。メガネのせいで表情がよく見えない。

『どうしたの？チーノ？』

ぱっと両手を抑えていた手を離し、にぱっと笑った。私の服を整えながら

｢もうこれに懲りたらこちょこちょなんて俺にしないことですわ！！Aさん！｣

んじゃ！と言ってスタスタとその場を去ってしまった。なんなのだ一体…しかしチーノにイタズラしようとした結果やり返されてしまった。今度やる時はもっと計画を練ろう…と反省するのだった。