▼先生×生徒【上鳴電気】 ページ5
＿＿＿＿＿俺はいま恋をしている。
｢あれ？上鳴くんじゃない。もう下校時間とっくに過ぎてるわよ？｣
｢へへっ……知ってますよ。先生を待ってたんです！｣
＿＿＿そう。
｢あら、嬉しい事言ってくれるのね｣
＿＿＿微笑んだその笑顔。
｢先生笑うと綺麗ですね｣
｢ふふっ………お世辞がうまいのね｣
＿＿＿＿俺は先生に恋してる。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
出会いは突然だった。
ヴィラン襲撃後先生たちも忙しくなり手が足りないということで雄英高校卒業生であり、プロヒーローのA先生がやって来たのだ。
｢こんにちは、これからお世話になります。小日向Aです。気軽にファーストネームで呼んでください｣
一目惚れだった。
｢やべぇ………」
先生は女性にしては高身長でだけど細身で……白い肌が赤く染まる唇を引き立たせた。
担当教科は数学で俺の苦手な教科。
｢先生！ここ、わかりません！｣
｢ここはね………」
いつでも紳士に分かるまで教えてくれて生徒との距離も遠くなく近くなくいい距離を保っていた。
｢上鳴くんはどうしてヒーローに？｣
｢俺、誰かを助けるヒーローって凄くかっこいいと思うんです！｣
｢かっこいいヒーローになりたいの？｣
｢はいっ！｣
｢ふふっ……上鳴くんは正直者ね。大丈夫、きっとかっこいいヒーローになれるわ｣
大人な先生は俺の頭を撫でてくれる。
｢先生は、好きな人いますか？｣
｢………いるよ｣
それを聞いた時俺はやっぱり、と思った。
｢どんな人ですか？｣
それでも聞いてしまうんだ。
｢そうね、私より年上で、ちょっと暗くてあまり、人には好かれないひとよ｣
｢そんな人が先生の好きな人ですか？｣
意外だった。
先生の好きなタイプが自分とは真逆なのだから。
｢真に受けるのね、嘘よ。私が好きなのはその正反対の人｣
してやったりな顔の先生。
意地悪したその顔も許せてしまうくらい可愛い。
｢なんですか、それ｣
｢怒っちゃった？｣
｢全然｣
だってそれって、俺にもチャンスがあるってことですよね？
正反対なら、先生より年下で明るくて人に好かれる方。
俺にも当てはまる。
｢やっぱり、好きだなぁ……」
＿＿＿＿先生、好きです。
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作者名：曇莵鍍 | 作成日時：2017年5月20日 22時
