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「どういう意味ですか？」
鋭さを増したその声が、街灯に集まる蛾の羽音をかき消した。
「そのままの意味さ。
君は何もわかっていない」
わかっていない。
そう繰り返す幸村は浮かぶ怒りを必死に抑えているようだった。
「俺はあいつの従兄弟で、ずっと一緒にいるんすよ。
あいつの事は俺が一番わかってます」
一番。
そうだ、財前は誰よりもAを知っているはずなのだ。
けれど財前は距離が近いからこそ、何も知らない。
「じゃあ、どうして……。
どうしてわかってあげないんだっ」
じゃり、と砂が軋む音がした。
「彼女にとって君は何より大事な存在で、彼女は君のことが……っ」
砂を踏みしめて勢いよく立ち上がった幸村は、哀しい目をして、劈くように言葉を吐く。
言ってはいけないことを、言ってしまいそうになるほどに、幸村の心は乱れていた。
「幸村さん……？」
感情的な幸村を、財前は戸惑うように見上げる。
こんな彼を一体誰が知っているというのだろう。
我に帰った幸村は、音のない深呼吸を繰り返し、高鳴る鼓動を必死に抑えた。
「俺が言いに来たことは１つだけ。
Aのことを本気で諦めるなら、もう彼女の所に来ないでくれ」
「……っ」
中途半端な想いなど、Aにとって何より残酷だ。
けれども今の幸村は、ただ。
ただただ、Aの笑顔が見たいのだ。
「でも、本気で彼女が好きなら……好きな女の子の嘘くらい、見抜いて見せなよ」
幸村はまた、笑みを浮かべた。
その笑みにどんな意味があったのか、誰も知ることはないのだろう。
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SHINO(プロフ) - スノウさん» スノウ様！いつもコメントありがとうございます。スノウ様のコメントは本当に何度も読み返してはニヤけてしまって、とても力をいただいています。そうですね、私も主人公の気持ちをやっと書けたので嬉しいです。笑 どうか最後までお付き合いください。 (2017年4月20日 15時) (
レス) id: cc409903fa (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます。気をつけている事に気付いてくださって嬉しいです。fifthの表紙もありがとうございました。申請を出したので使わせていただきます！これからどのような展開になるかは秘密ですが、楽しんでいただけると嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年4月20日 15時) (レス) id: cc409903fa (このIDを非表示/違反報告)
スノウ - おつかれさまです！ついに主人公ちゃんから好き、という素直な気持ちが聞けて嬉しいのと同時に、これから彼女がどのように生きていくのか、不安なような楽しみなような。続編待ってます(^^*) (2017年4月18日 23時) (レス) id: 9bbfe87ee5 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - お疲れ様です。続編も楽しみにしています。SHINOさんの花火を空が泣くと表現するところや、情景は目に浮かぶのに感情は明かさないようにするところとか本当に好きです。これからも頑張ってください。 (2017年4月18日 20時) (レス) id: 41f82b2237 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - Yさん» コメントありがとうございます！儚さは私の意識している点でもあるのでとても嬉しいです。終わりを残念だと感じていただけるような作品をかけてよかったです。ですが、まだ終わりそうもないので引き続きお付き合いください。笑 応援、本当にありがとうございます。 (2017年4月16日 16時) (レス) id: cc409903fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINO
| 作成日時：2016年9月8日 17時
