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1約束 ページ2

「ねぇ、雅治」


「なんじゃ?」




流れるようなソプラノの声が俺の耳を掠める。




いつ見ても、こいつは綺麗じゃった。


……存在しているのが、不思議になるくらい。





「私が消えても、絶対泣かないでね」


「フッなにいっとるんじゃ」




こいつはよく、冗談を言って俺を焦らせる。


それに慣れていた俺は、冗談だと確信していた。




「フフッ、ただの冗談よ」




ほら、やっぱりそうじゃ。


俺をからかうのがそんなに楽しいかのぅ?




俺はからかう側の人間だったのに、こいつの前じゃ、なぜか別人になってしまうんじゃ。



……それでもいいかと思ってしまう俺は重症じゃな。






「おまんと俺は、ずっと一緒ぜよ」




なぜか寂しくなった俺は、彼女を自身に引き寄せる。




「そうね……、フフッでも雅治の泣き顔は見てみたいわ」




くすくすと笑う彼女、Aは見惚れるくらい綺麗で、消えてしまうんじゃないかと思うくらい儚かった。




「俺が泣くはずないじゃろう?」


「本当に?」


「ああ、本当じゃき」




消えてしまいそうなAを見ていられなくて、思わず目をそらした。




「じゃあ、約束よ?」




何故そんなに執着するのかなんて、ほとんど気にも止めなかった。





「約束ぜよ」




ただ、こいつが望むことをしてやりたいと思ったんじゃ。


触れたら壊れてしまいそうなこいつを、壊してしまわないように、そっと傍に置いときたかったんじゃ。








このときの約束の意味を考えてなかった俺は、



…馬鹿だったんじゃろうな。

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ナツ - 泣きました。夢小説作品で泣くのはこのp作品が初めてです。SHINOさんは本当に「テニスの王子様」が好きなんですね!そうじゃないとこんなに素晴らしい話を書けませんもん。本当に素敵な一時をありがとうございました。 (2021年2月14日 17時) (レス) id: c58bd08887 (このIDを非表示/違反報告)
莉穂(プロフ) - 深い深い話で号泣しました (2017年7月27日 23時) (レス) id: cffddfdc0f (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 豆味噌さん» ありがとうございます。才能があるかは謎ですが、そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです。全然自信のない作品なのでちょっぴり恥ずかしいですが、そう言っていただけると書いてよかったな、と思えます。本当にありがとうございました。 (2016年4月30日 21時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
豆味噌 - 感動しました。素晴らしい文の才能を持っていらっしゃるんですね。私は、立海が本当に好きで、この小説を見つけたとき本当に早くみたい!という気持ちがあってどんどん読み進めていました。良くこんな物語を考えられるなと思いました。本当にありがとうございます。 (2016年4月9日 17時) (レス) id: 5206a91115 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 舞琴さん» 貴重な涙を、ありがとうございます。伝わっていたならすごく嬉しいです。私はまだまだ本当に未熟ですので、頑張りたいと思います。私が好きなのは幸村さんです。笑 仁王さんのは実質1つのようなものなので。笑 素敵なコメントをありがとうございました。 (2016年1月17日 18時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINO | 作成日時:2013年11月5日 3時

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