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邪道ヒロイン5 ページ6

「や、やめて……っ」

「は?あんたが幸村様と話すから悪いんじゃない」




ざくりと、女の子の黒髪が切り落とされた。

その髪を見つめ、泣き叫ぶ女の子。



こんな光景は日常茶飯事。

誰も止めないし、私も止めない。


所詮、他人事。



だけどそれを止める子が、1人だけいた。





「ちょっと!女の子の髪切るなんて酷すぎるじゃん!」



誰もが息を飲む美少女。

高城響(たかじょうひびき)。


真っ白な肌に、真っ赤な唇。
切れ長の瞳に、キリッとした二重瞼。

高めのソプラノ声は男達を弄ぶ。


そんな容姿とは対に、気取らない態度。

誰にでも優しくて、正義感が強い。



そう私とは違う、王道ヒロイン。



私は彼女のことなんて、何も知らないが、みんなが自然と距離をとっているのがわかる。


友達なんていない私は知らないけれど、きっと彼女には何かあるんだろう。




ま、私にとってしたら、野菜並みにどうでもいいけどね。


さ、お菓子食べよう。


長くなった前髪を軽く押さえてチョコにかじりついた。


んー!美味しい!

絶品だね、グッジョブ!チョコ!


1人窓際でニヤニヤしながら、チョコを味わった。





「大体、なんでみんなも止めないの!」



うおっと。

高城さんの声が大きすぎて貴重なチョコを落とすところだった。



いやーん。

Aたん、こーわーい!


うん、今自分でもキモいって思ったよ。




チョコを食べ終えた私は、ガムに手を伸ばした。




「響、行こう」



男の声が聞こえる。

女子たちがキャーキャー言うのも聞こえる。


誰だろ?

ちょっとした興味が湧いて、視線を……


向けようと思ったが、私の瞳はガムのパッケージに釘付けとなった。




ま、まじか。

ま、ま、ま、まじか。


ガムが、当たってやがる!


み、店に行かなくては!


ど、ど、ど、どうしよう。

とりあえず、落ち着け。

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ナツ - 面白い、面白い、面白い、面白いぃィィィィ!読んでる途中だけどついコメントしちゃいました。 (2021年2月14日 20時) (レス) id: c58bd08887 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉 - 夢主が羨ましいですな…。ゆっきーに受け止められるとか…。 (2015年1月21日 18時) (レス) id: 13030ae857 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 菜月夜さん» すみませんんん!!山田って苗字私は好きです!修正します! (2015年1月15日 21時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
菜月夜 - あの…私の名字、山田なんです…ダサイはひどいよぉぉ←でもこの作品大好きでふファイト!…でもダサいは酷いよ← (2015年1月15日 18時) (レス) id: 3c42b54fb5 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 茉莉さん» 面白いだなんてっ!ありがとうございます!ふ、ファン!?恐れ多いです、ほんと。けれどとても嬉しいです。ずっとそう思っていただけるよう、精一杯努めさせていただきます!コメントありがとうございました! (2014年12月31日 0時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINO | 作成日時:2014年6月27日 19時

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