幼馴染武勇伝【幸村様誕生記念企画】追加SS

幼馴染8 ページ8

｢やっべ副部長に殺されるっ｣




どうしようかとあたふたしていると、
この場所には似つかわない、
男の子の声が聞こえてきた。


テニス部の子、かな？




｢あの、｣




走り去ろうとしていた男の子をすぐに引きとめる。

よく見れば可愛らしい顔をしているが、
髪の毛が少し特徴的。


なんか、ワカメみたい……。




｢ん？アンタ俺に用？｣



立ち止ったワカメ君は睨むように私を見据えた。

なんで初対面で睨まれてるんだ、私は。



｢精市……幸村精市に用があるんだけど｣



後輩っぽいし、こんな奴に敬語なんていらないだろう、
そう判断した私は目の前のワカメを睨みあげた。

くそぉ、こんな奴にも身長が負けてるっ。



｢部長に？アンタ部長の何？｣



ストーカーでも見る様なその眼差し。

刺すぞ、こら。



｢ワカメに言う筋合いないんだけど｣



失礼なワカメ。

そう心の中で呟いた。



｢なっ！ワカメじゃねぇよ！｣


｢もういい、面倒
海にでも行って増えてれば？｣




海にアンタが増殖してたらキモいけど。


そう付けたして、奴から離れた。



イライラする。

それもこれも全部精市のせいだ。




――――――――もういい。


どうせこんな所、二度と来ないし。




ガッシャンッとフェンスをこじ開けて、
話をしている群れへと歩み寄った。






｢おい、妄想ハゲ｣



そして、アイツを呼んだ。

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