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幼馴染12 ページ12

授業は全て終わり、部活のない私は、
だらだらと帰路を歩いていた。


なんか、もう疲れた。



それもこれも精市のせいなんだけどね。





「お〜お前、朝の奴じゃん!」



本日二度目の誰だこいつ……。


中学生のくせに赤髪で、
膨らませていた緑のガムをパチンと割った。



ああ、朝テニスコートにいた奴か。

すぐに納得し、無視して歩みを進める。




「お、おい待てよぃ!」



慌てたように縋りつくガム野郎。

気色悪い……。



「放せ、下衆野郎」



キッと睨みを利かせ、奴の手を振りほどく。



「うわぁ、きついなお前」



下衆野郎ってなんだよぃ、と続ける奴。

下衆野郎は下衆野郎だ。


面倒だと判断した私は、再び足を突き出した。



「ちょ!まじで待てって!」


「何?早くしろ、トマト」



なんか嫌な色だと思えば、やはりトマトの色だ。




気分が悪い。

何故なら、トマトが大嫌いだから。



「下衆野郎からトマトとか、どんな出世だよ」



首の裏を掻きながら、やれやれとそう言ったトマト。

出世も何もあるか。


転勤だ、飛ばされたんだよ。



「用件は?5文字以内で答えろ」


「いや、無理だから」



チッ、私はこんな奴と漫才なんてやってる暇はないのに。

うざい、うざい、うざい。




「知ってか?幸村君熱出したんだぜ」


「それが?」



こいつはそんなことの為に、私を呼びとめたのか?

精市が熱とかどうでもいい。


むしろ、喜ばしい。

罰があたったんだ、当然だ。




「見舞い、行ってやれよぃ」



ふにゃっと笑みを零すトマト。


お前は何キャラだ。

そう突っ込みたくなる。




「無理、うざい」



イライラが募った私は、
鞄でトマト頭を殴ってやり、
早々とその場を去った。

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桃花 - ハゲた幸村を想像して爆笑しましたwww (2022年9月26日 15時) (レス) @page21 id: 8598ef157b (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - SHINOさんの作品で面白い系は珍しいですね!ヤバイです、めっちゃ面白かったです。これからも面白い系のもの書いてほしいです。(もちろん切恋も大好きです、応援してます) (2021年2月14日 20時) (レス) id: c58bd08887 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃菊(プロフ) - すごい面白かった! (2018年6月16日 11時) (レス) id: 6763eabd01 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ(プロフ) - とても面白かったです!SHINO様の作品もっと読みたくなりました!とてもいいお話、ありがとうございました´`* (2018年2月20日 19時) (レス) id: 306c2b1b2f (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 雛罌粟さん» ありがとうございますっ!読んだ瞬間嬉しくてにやけてしまいました。笑 ひゃっはーっ!ってなりました!笑 大好きだなんて照れますね。笑笑 私も読者様愛してます!← (2015年10月19日 8時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINO | 作成日時:2014年3月2日 22時

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