第51話 ページ8
石の壁を抜けると、そこがブラックマーケットと呼ばれる場所。
｢ここがブラックマーケット｣
｢なにか、欲しいものはある？｣
｢魔力をコントロール出来るものがほしい……かな｣
バネッサは意外そうな顔をして、出来ないの？と聞いてくる。
｢グリモワールを使うとね……｣
｢そうなのねぇ……あ、フィンラル、なんか良いものない？｣
フィンラルはマグナとラックが他人に迷惑をかけないように見張っているようだ。
｢え、あ、いや、今のところは……｣
｢あはは！これ面白ーい！｣
｢ちょ、ラック！｣
ラックとマグナは、2人とも楽しそうだ。色々なお店を渡り歩いている。
｢おいラック、漢の勝負しに行こうぜ｣
｢えー、マグナ1人で行ってきてよー。僕は見ていてあげるからさ！それで、マグナが勝ったら次は僕とヤろうよ！｣
フィンラルは、はぁ、と溜息をつき、2人の面倒を見るのは諦め、こちらに移動してくる。
｢えっと、お疲れ様です｣
｢バネッサさん、これ、俺来る意味ありましたかね……｣
結局、バネッサもフィンラルも、私の為に魔道具を探してくれた。
｢これなんかどう？｣
｢んー、杖は扱いにくいかも……ブローチは、壊れると嫌だなぁ｣
そんな私のワガママにも付き合ってくれた。
悩む私達に話しかけて来たのは、ローブを羽織ったお兄さん。
｢お嬢さん方、どんな魔道具をお探しで？｣
｢え、えっと、魔力のコントロールが上手くできなくて……｣
｢ああ、それでしたら、これなんてどうですか？まだ試作品なんですけど｣
お兄さんが渡してきたのは、綺麗な小瓶。繊細な模様が描かれている。
｢開けてもいいですか？｣
｢ええ｣
蓋を開けると、とてもいい香りがした。どうやら香水のようだ。バネッサやフィンラル、それからラックとマグナにも匂いを嗅がせてあげる。
｢ほんと、いい匂いね〜｣
｢そこまで効果は高くないんですけどね。香水みたいに使えば、それだけでコントロールはやりやすくなるはずです。良ければ、それは差し上げますよ｣
｢い、いいんですか？ありがとうございま、す……｣
なんだか急に眠気が襲ってきた。頭がくらくらして、私は座り込む。4人が駆け寄ってきてくれたのを見たのを最後に、私の意識はそこで途切れた。
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みー - この作品、好きです。 (2020年6月16日 23時) (
レス) id: 3db67be770 (このIDを非表示/違反報告)
秘色(プロフ) - さきさん» ありがとうございます！金色も良きですね！原作沿いも書きやすそうです^^* (2019年4月26日 19時) (レス) id: f2957dd07b (このIDを非表示/違反報告)
さき - ランギルスがいいです！ (2019年4月26日 19時) (レス) id: 3084dfab75 (このIDを非表示/違反報告)
秘色(プロフ) - メリアさん» ありがとうございます。ヴァーミリオンも良いですよね！参考にさせて頂きます。 (2019年4月26日 18時) (レス) id: f2957dd07b (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 紅蓮の獅子王団で、メレオレオナの友人ではどうでしょう？友情ならメレオレオナ、恋愛ならフエゴレオンがいいのでは？ (2019年4月26日 18時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秘色 | 作成日時：2019年1月2日 13時
