第46話 ページ3
そうやって話しているうちに、思った以上に時間は経っていたらしい。アジトを出た時は朝だったはずが、もう夕方にまでなっている。
｢誰かぁ！｣
と、どこかで叫び声が聞こえた。
｢どうしました？！｣
アレンと私が駆け寄ると、神父、それからシスターと思われる男女が、教会の前に立っていた。
｢それが……さっきまで置いてあった食料が……｣
シスターが青い顔をして答え、指さす方を見ると、魔法で逃げる何者かの姿が見えた。おそらく水魔法。けれどそれは一瞬で、直ぐに見えなくなった。
｢追いかけるぞ｣
｢うん｣
アレンの風魔法で移動し、盗賊の魔を追いかける。
しかし私達に気がついたのか、ある所で魔が薄くなり、追いかけるのは難しくなってしまった。
｢気配をできる限り消せ。勿論、魔でも気付かれないようにしろ。どこに潜んでいるかわからないからな｣
｢うん、分かってる｣
私達は先程までよりも気を配る。いくら恵外界の盗賊を捕まえるという、星にはならないような任務とはいえ、困っている人がいるのだから、助ける。暗くなっていくあたりを見渡してそう思うと、気は抜けない。
｢っ！｣
｢どうしたの、アレン｣
｢静かにして｣
｢……？！｣
アレンに言われて気が付く。誰かの魔と気配を感じる。
｢盗賊と判断するのは難しいな｣
｢村人の可能性もあるんじゃ？｣
｢こんな村の外れに、この時間に……か？｣
言われてみれば。
｢……2手に分かれるか？｣
｢一緒に居た方が安全じゃない？｣
｢いや、敵は複数では無いようだ。2人で囲って捕まえるのが、手っ取り早い｣
｢分かった｣
こそこそと話した末、私達は2手に別れることにした。
1人になると、余計に不安に感じられるけれど怖がっている場合ではない。
アレンとは通信機を通して、会話をする。
｢くそっ……見失った｣
｢大丈夫、こっちは見失ってない。むしろ近づいて……後ろに……？｣
｢悪い、やっぱり別れない方がよかったか……？｣
しくったか、とアレンの少し悔しがる声が聞こえた。
｢うーん、どうしよう｣
｢じゃ、いったん合流といこうか｣
｢分かった、直ぐに向かう……っ？！｣
｢……！A、どうした！｣
アレンと喋っていて、気が付かなかった。盗賊は気配を消し、私のすぐ後ろに来ていたらしい。
右手で私の腕を抑え、左手で口を塞がれる。通信機は、腕を掴まれた時に落としてしまった。
それにしても、この魔の感じ、どこかで……
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みー - この作品、好きです。 (2020年6月16日 23時) (
レス) id: 3db67be770 (このIDを非表示/違反報告)
秘色(プロフ) - さきさん» ありがとうございます！金色も良きですね！原作沿いも書きやすそうです^^* (2019年4月26日 19時) (レス) id: f2957dd07b (このIDを非表示/違反報告)
さき - ランギルスがいいです！ (2019年4月26日 19時) (レス) id: 3084dfab75 (このIDを非表示/違反報告)
秘色(プロフ) - メリアさん» ありがとうございます。ヴァーミリオンも良いですよね！参考にさせて頂きます。 (2019年4月26日 18時) (レス) id: f2957dd07b (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 紅蓮の獅子王団で、メレオレオナの友人ではどうでしょう？友情ならメレオレオナ、恋愛ならフエゴレオンがいいのでは？ (2019年4月26日 18時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秘色 | 作成日時：2019年1月2日 13時
