第58話 ページ15
｢なぁにフィンラル〜。この期に及んでまたナンパなんてしてるのぉ？｣
｢バ、バネッサさん！｣
ヤミが話していた糸魔法のバネッサか。
というか、ナンパ、とはどういうことだ。
｢ナンパなわけないじゃないですか！｣
……ナンパだったのだな。聞き込みなどと思った私が馬鹿だった。そしてそのナンパ相手は、既に姿が見えない。
｢あ、銀翼の団長ですか？｣
｢バネッサ・エノテーカだったか？｣
｢はい、そうです｣
バネッサは先程までフィンラルをからかっていた時と違い、真剣な面持ちで言う。
｢すみません、助けてあげられなくて……｣
曰く、残りの2人は、まだ捜索しているそうだ。
私が翠緑の蟷螂団の団長に手伝うよう頼んだと伝えると、2人は少し安心したように笑う。
そうやっているうちに、ジャックが現れた。
｢よぉ、珍しいメンバーだなァ｣
確かに、それは否定出来ない。
フィンラルとバネッサが名前と属性だけの簡単な自己紹介をする。
｢お、空間魔法使えるやつがいるのか。ネイオスって言う恵外界の村には行ったことがあるか？｣
｢はい｣
便利な空間魔道士をこき使う気だな、と思ったが、いざネイオスに着くと、ジャックは2人を追い払うように言った。
｢2人はもう帰ってくれて構わねぇ｣
｢いえ、私もまだ……｣
｢いいから帰れ｣
2人は戦力にならないと感じたのか、邪魔なだけだと感じたのか、それとも自分の団に同じ騎士団を攫うやつがいるのは恥だと考えたのか……とにかく、必要がないと判断したらしい。私はそれに加担する。
｢笑顔の戦闘狂と言ったか……雷と炎の2人は、まだ当てもなく探しているのだろう？早くAの居場所の検討がついたことを伝えないと、無意味な時間を過ごすことになる｣
｢じゃ、じゃあ、ラックとマグナを見つけたら、帰ってきてもいいですか...！？｣
フィンラルとバネッサは諦めきれないようで、ジャックが仕方なく了承すると、後ろを振り返りつつも2人を探しに行った。
｢……何故帰そうとした｣
一応聞いてみる。
｢俺のせいだからなぁ、極力迷惑はかけられない｣
なるほど、思ったよりも団長であるということに責任を持っていたらしい。ほんの少しだけ見直した。
｢んじゃ、行くかぁ｣
｢ああ｣
私達は、オウニの居ると思われる小屋へ向かう。
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みー - この作品、好きです。 (2020年6月16日 23時) (
レス) id: 3db67be770 (このIDを非表示/違反報告)
秘色(プロフ) - さきさん» ありがとうございます！金色も良きですね！原作沿いも書きやすそうです^^* (2019年4月26日 19時) (レス) id: f2957dd07b (このIDを非表示/違反報告)
さき - ランギルスがいいです！ (2019年4月26日 19時) (レス) id: 3084dfab75 (このIDを非表示/違反報告)
秘色(プロフ) - メリアさん» ありがとうございます。ヴァーミリオンも良いですよね！参考にさせて頂きます。 (2019年4月26日 18時) (レス) id: f2957dd07b (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 紅蓮の獅子王団で、メレオレオナの友人ではどうでしょう？友情ならメレオレオナ、恋愛ならフエゴレオンがいいのでは？ (2019年4月26日 18時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秘色 | 作成日時：2019年1月2日 13時
