第45話『再会』 ページ2
アレンと私は今、恵外界に来ている。
｢なんで俺が……｣
｢任務なんだから……そろそろ村に着くと思うんだけど……｣
少し先に、小さな村が見えた。そこが任務を依頼してきた村だろう。
｢よろしくお願いします｣
村に着くと、村長と思われる男の人と、その人を囲む何人かの男女が私たちに頭を下げた。あまりかしこまられるのは慣れていないので、私は慌てて頭を上げさせた。
けれど村人達と会話をするのは、ほとんどアレン。
｢最近よく出る盗賊に困っているとか｣
｢はい、そうなんです。私たちの手には負えなくて……｣
｢分かりました……よく出る場所や時間、あと大体の人数などはわかりますか？｣
｢時間は夕方から夜で、この村の中で言うなら、よく出る場所は特に……人数も分からないんですけど、あまり多くはないかと｣
その程度なら、2人で大丈夫だろう。
アレンがお話をしている間、頼まれてもないのに、私は座り込んで村の小さい子供たちの相手をしていた。
｢おねーちゃんは、まほーきしだんなの？｣
｢そうよ｣
｢わるものをやっつけたりするの？｣
｢そうね、今も、貴方達に悪さする人をやっつけに来たの｣
｢すごい！おねーちゃん、すごーい！｣
キャッキャとはしゃぐ子供たちは、凄く可愛い。
｢わるさ？どんなわるいことをするの？｣
｢そうね……物を盗んだりかしら……｣
｢人のものをとっちゃだめ！｣
｢そう、だめなことなの｣
そんな会話をしていたら、アレンに呼ばれた。
｢おい、A。遊びすぎ。任務｣
｢あ、ごめん｣
私は立ち上がり、任務に向かう。
盗賊はどこにいるか分からないので、とりあえず、見回りからだ。村の人たちが珍しげに私たちを見てくるので、少し恥ずかしかった。
｢え、魔法騎士団？どうせ、貴族か王族でしょ？やになっちゃう｣
｢さっさと捕まえてくんないかな、盗賊｣
｢ほんとにね｣
｢私達と違って、魔力量も多いし、流石だねぇ｣
｢そうね。今日来てくれた子は、偉そうじゃないし、いい子達だね｣
｢貴族にしては珍しい｣
周りから聞こえてくる言葉は、騎士団や王族、貴族に対する偏見や、恵外界に住んでいるからという自分に対する諦めなどが多い。
アレンは、
｢勝手にそう思わせておけばいい。俺は別に偏見を持たれても仕方がないと思う｣
と言っている。確かに、仕方がないといえばそうだけど。
｢やっぱり寂しいよね。そういう偏見とか、諦めって｣
アレンは無言のままだ。これは、肯定と受け取っても良いのだろうか。
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みー - この作品、好きです。 (2020年6月16日 23時) (
レス) id: 3db67be770 (このIDを非表示/違反報告)
秘色(プロフ) - さきさん» ありがとうございます！金色も良きですね！原作沿いも書きやすそうです^^* (2019年4月26日 19時) (レス) id: f2957dd07b (このIDを非表示/違反報告)
さき - ランギルスがいいです！ (2019年4月26日 19時) (レス) id: 3084dfab75 (このIDを非表示/違反報告)
秘色(プロフ) - メリアさん» ありがとうございます。ヴァーミリオンも良いですよね！参考にさせて頂きます。 (2019年4月26日 18時) (レス) id: f2957dd07b (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 紅蓮の獅子王団で、メレオレオナの友人ではどうでしょう？友情ならメレオレオナ、恋愛ならフエゴレオンがいいのでは？ (2019年4月26日 18時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秘色 | 作成日時：2019年1月2日 13時
