夜兎族最強の子が大正時代に行った件について 其ノ二

五十五話 ページ21

あれ…私は、確か…


上弦の弍と戦ってて……逃げられて…


…そうだ。意識を失ったんだ……


あ…？でもおかしいな。何で身体が動いてる…？


いや、足が地面についてないから…抱えられている、のか…？



『……ぅ…』



ダメだ。まだ全然声出ない。喉と肺がやられたか？



？｢あぁ、目が覚めましたか。というか、よく生きてますね｣



…誰だ…？知らない奴…でも、この声…御館様の声に、似ているような……でも、御館様じゃない…



『…カナエ、は…？』



そう、まずカナエだ。あの後ちゃんと助けられたのか？



？｢真っ先に人の心配ですか。相変わらず変わってないようで何より。花柱なら、既に救出されました。花柱の妹さんが来ましてね。必死に手当していましたよ。貴方は即席の治療だけして今現在進行形で私が蝶屋敷へ運んでいるところです｣


『…なら、いい……』



そう言って私は、また意識を無くした。


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？？？side


おや、また意識が無くなりましたか。



？｢まったく、鬼などに遅れをとるとは…それでも夜兎族ですか、貴方は…｣



産屋敷殿に頼まれて向かった場所には、花柱が重症で倒れていた。


すぐにしのぶさんが手当をしていたので、そこを任せて辺りを見廻っていたら、大量の血を流して倒れている女性を発見した。


近寄ってみると、なんと以前町で見かけた知人ではないか。


止血だけしてから運び出し、そして今に至る。という訳ですね。



？｢血で汚れた服は、後日弁償してもらいますからね｣



そうこう言っているうちに、蝶屋敷に着きましたね。



隠｢あっ！ご苦労様です！お待ちしておりました！後は私達にお任せ下さい！｣


？｢えぇ。あとは頼みましたよ｣


隠｢はい！それでは、失礼します！









───"佐々木異三郎"殿！｣

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