３７ ページ37
２月１４日。
バレンタインの日は、
早朝からドラマの撮影で、
昼過ぎに一旦抜けて、
バラエティ番組の収録。
夕方の１８時過ぎには、
スタジオを出られそう。
A先生は仕事を終えた夕方から、
俺のマンションの階下の部屋を見学に来る事なってて、ちょうど都合がええねん。
「はい、オッケーです！
ありがとうございました」
スタッフさんの声とともに、
メンバーみんなに笑顔がこぼれた。
一刻も早くこの衣装を脱いで、
さっさと帰りたいのに・・・
こんな日に限って、
たまたますぐ近くのスタジオやったからって、
ドラマの共演者やスタッフさんたちが、
収録の見学に来てはるねん。
お礼も言わなあかんし、
大人やねんし、少しは談笑してかなあかんやろ。
その中には、七瀬の姿もある。
七瀬は数少ない、
俺が緊張せずに済む女子や。
同郷なんもあるし、
あいつの性格が子供っぽいせいかな。
「このまま飲みに行こうか」
プロデューサーの尾木さんが、
みんなに声かけてる。
水野ちゃんに、
目配せして、
助けてくれって、したのに。
どうも様子がおかしい。
泣きそうな顔してるし、
俺のことなんか、
かまってられる精神状態ではなさそうやねん。
仕事で失敗でもしたんかな。
今は、自力でなんとかするしかないわ。
「すいません。
僕まだもう一本、仕事が入ってて。
後から合流させてもらいます」
嘘つくと、声が上ずる。
気持ちはもう、
A先生のとこに飛んでってる。
「そうなの？
売れっ子は大変だね。
じゃあ、後からいつもの店に来てよ」
プロデューサーがあっさり言うてくれて、ほっとした。
「はい。分かりました」
うなづいて、
挨拶だけして、
今日は自分の車で来てるから、
慌てて、テレビ局の地下駐車場へ。
キー開けたところで、
「亮ちゃん、ほんまはどこ行くん？」
車の影から、
急に七瀬がお化けみたいに現れて、
息止まるかと思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 609人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マッキー(プロフ) - 相手が年上って所がこれまた嬉しくて、ニヤニヤしながら読んでます♪どんどん年上設定お願いしたいくらいですー（笑） (2018年2月21日 19時) (
レス) id: 91ea55fdc2 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - はじめて感想を書きます！すごく文章の感じが好きで、他の作品も今読ませてもらってます！続き、楽しみにしてます！ (2018年2月19日 20時) (レス) id: 52caf79dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開ありがとうございます(*^^*) すばる君のお話、キュンキュンしました〜(///∇///) 亮ちゃんのお話、続き気になります〜(*^^*) (2018年2月14日 0時) (レス) id: 76e38abfc7 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - foolさんの新作☆しかも亮くん（ ; ; ）嬉しすぎる・・・リアル設定なのかな？初めてですよね？(←質問攻め笑)亮くんにグイグイ来られるなんて、もう〜想像も出来ないくらいヤバいです(＞＜)続きも楽しみにしてます♪ (2018年2月13日 18時) (レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年2月13日 9時
