【stpr】組長娘と婚約者候補【な組】Part4

#157 ページ28

夜に白薔薇を花瓶に入れて考える。

私は誰が好きなのか。

私は母さんの仏壇の前に行く。

写真の中で笑ってる母さんの周りにはひまわりの花。

「まるでひまわりは太陽に恋してるみたいね」

いつも太陽の方向を向いている。

でも、知っている気がするの。そんな気持ち。

「……あ……」

私の目から涙が溢れてこぼれ落ちる。

安心感があるのに、恥ずかしくて、苦しくて、目が離せなくて。

私の隣に……ずっと居てほしい。

こんな気持ち……恋じゃなかったらなんなの……？

気づいたらもう、後戻りは出来ない。

「もう……なんでもっと早く気づけなかったの……」

あの人たちに辛い想いいっぱいさせた。

伝えなきゃ、5人に謝らないと。

1人にはちゃんと私の側にいてほしい…そう言わないと。

だが、その時だった。

「お嬢！！逃げてください！！」

襖を開けて入ってきたのは知らない男達。

まさか外壁から登ってきたの！？

そして私に手ぬぐいを押し当てる。

私の意識はどんどん遠のく。

「Aさん！！」

意識が途切れるその寸前、私はあの人の声を聴いた。

今となっては愛おしいあの人の声を……。

「ｰｰｰｰｰｰ」

私は彼の名前を呼んで意識を手放した。

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