【stpr】組長娘と婚約者候補【な組】Part3

#130 ページ48

〜ジェルSIDE〜

翌朝、昨夜なーくんが小指をつめようとしてたとるぅちゃんから聴いた。

Aさんには秘密にしとこう。「軽率に指をつめようとするな」とか。

そんな感じで怒られそうやしな。逆に負い目を感じる可能性も無きにしも有らず…。

「あ、ジェル…おはよう」

「おはようございます……あ」

Aさんの髪には俺が選んだ雪の結晶モチーフのバレッタ。

思った通り凄い似合っとる。

昨日はるぅちゃんが送ったリボンモチーフバレッタやった。

清楚で可憐で可愛くて綺麗でもう美を全て詰め込んだようやったけど。

儚げな印象が増えた気がする。

「すごく綺麗です」

俺は髪を一房とってキスを落とす。

「思慕のキス？」

「そうですね」

誰かに見られるとマズイので髪を離す。

まるで絹のようなサラサラした髪やったな。

「ぎゃあああ！！さとみくーーーーん！！」

そしてころんの絶叫。

「朝からうるせぇ！！なんの騒ぎだ！！」

組長からの怒号。

「ちょっと行ってきます」

「う、うん、行ってらっしゃい……」

あの後さとちゃんの部屋に行ったらさとちゃんが倒れとった。

布団の上で寝てるっていうか失神状態やった。

白目向いとったからころんが絶叫したらしい。

うーん、なーくんとさとちゃんは真反対の傷つきタイプか。

……なーくんは！？可笑しい！！この時間でもこおへんなんて！！

「なーくん！！」

襖を勢いよく開けたら。

「あ、おはようジェルくん！」

めっちゃええ笑顔。これは完全に情緒不安定やな。

はよ1ヶ月経ってや〜！

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