【stpr】組長娘と婚約者候補【な組】Part3

#87 ページ5

〜さとみSIDE〜

みんなマジでバラバラだ。

「次僕〜、月モチーフのバレッタ」

ころんにしてはロマンチックだな、やっぱ。

「月ってころちゃんにしてはロマンチックですね」

言わないでおいたのに。

「ちゃんと意味もあるからね！？」

まず黙れ、注目されてるわ。

「はいはい、騒がないの」

なーくんが二人を宥めて座らせる。

「最後俺、貝殻モチーフバレッタ！貝殻とパールで作られててさ」

まぁ多分人物によって普通にアクセとかで使うもので作ったやつだろうな。

実物って引っかかりそうだし。

俺もそれを考えて立体感あるけど普通にアクセとかで使うもので作られたやつだし。

「うん、みんな見事に被ってないね」

とりあえず渡せそうでよかったわ。

そう言えばAさんがいた店って。

メンズアクセの……。一体誰へのプレゼントだ？

一番可能性あるのは組長。でも組長は滅多にアクセしねぇし。

後は篁さん…かな。いや、篁さんのならあの場で渡してるか。

じゃあ誰のだ？分からねぇしイライラする。

「さとみくん」

「あ？」

ころんに呼ばれ顔を向けるとズボッとフォークを口に入れられる。

「イライラしてるっぽかったから糖分取れば？」

見ればころんが頼んだケーキが減ってる。

自分のケーキ口に突っ込んだのかよ。

男と間接キスする趣味はねぇぞ。

「どうせなら俺が頼んだケーキを突っ込んでくれよ」

「いや、僕もそっち気になってたし」

なるほど、自分のケーキ食わせたからそっちのケーキも食わせろってことが。

本当サルは狡賢いな。

なんて思いながらころんにも少しケーキをやった。

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