独占彼氏 【月島蛍】

独占彼氏=29 ページ30

影「分かってるけど、それでもやっぱり俺にはお前しかいねぇんだよ」



そう言ってじっとそのまま私の目をしっかり見つめる飛雄。


月「...っちょっと!何触ってんの?!」


戻ってきた蛍が私の手を引き自分の方へ引き寄せる。

飛雄は少し驚いた顔をしたけど、すぐにキッと蛍を睨みつける。




月「Aは僕の彼女なんだよ?!分かってるデショ?!」


影「お前の彼女かもしれないけど、お前と同じように俺もAが好きだ!」



二人が大声で喧嘩を始める。


日向や忠くん、その他の部員もなんだなんだと駆けつける。


大「お、おい!二人共何してるんだよ?!」


大地さんが止めに入るが二人は取っ組み合いになってしまっていた。



菅さんと大地さん、縁下先輩と忠くんが二人を抑える。




どうしていいか分からず立っていると清水先輩に部室まで連れて行かれた。





若干過呼吸気味に呼吸を荒げる私の背中をさすってくれる清水先輩。


清「大丈夫?...落ち着くまでここに居ていいし、私も居るから」



その言葉で少しずつ落ち着いてくる。


「...あの、すみません」



なにか言わなきゃと思って出た言葉だった。


清「ああなる気がして気を付けてはいたんだけどね、私こそごめんね」




清水先輩が謝ることなんか何一つないのに。





「ありがとうございます」




あの二人がどうなったのかはわからないけど、今はそれしか言えなかった。

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