NANIWA'N WAY (ページ5)

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◆好き、だけじゃダメだった　　Green ページ5

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『別れてほしい。』

久々に家に来た彼が唐突に発した言葉は、私達の関係を終わらせる為の言葉だった。

その言葉に動揺している私は、返す言葉さえ見つからなくて。

「…なんで、急に、」

別れ話のテンプレみたいな言葉しか出てこない。

『なんでも何もないわ。もうお前のこと好きちゃうし。』

彼から放たれる言葉もまた、お手本のようで。

こんなテンプレみたいなやり取りでさえ、傷付かないはずなくて。

「…っ、」

『…面倒やから、泣かんといて。』

泣くなと言われても、お構いなしに冷たい言葉を投げられて、

涙が止まるはずなんてなかった。

「だって…っ急、すぎる…っ、」

『別れ話、予告するやつなんかおらんやろ。』

私の言葉に失笑する彼。

違う、私が言いたいのはそうじゃない、

聞きたいことはもっと、たくさんあるはずなのに。

だけど、思うように言葉が出てこない。

「そ、いう…っ、ことじゃな…っ、」

『俺の荷物、必要な物だけ持って帰るし、他は捨ててええから。』

ああ、本当に終わるんだ。

明確な理由も告げられないまま、何も知らないまま、

彼と過ごした時間はこんなにも簡単に終わってしまうんだ。

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