NANIWA'N WAY (ページ2)

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『名前、聞いてもいい？』

「A、です。」

『Aちゃんかぁ、可愛い名前やね。』

眩しいくらいの笑顔に、目がくらむ。

「わたしも名前、聞いてもいいですか？」

『俺？西畑、西畑大吾。』

「西畑さん、どうして私に…？」

そう言ってグラスを見せる。

『だってAちゃん、めっちゃ寂しそうな顔すんねんもん。気になってしまってん。』

迷惑やったかな？とこっちを見る西畑さんは、なんだか子犬みたい。

「迷惑、じゃないですけど、」

『けど？なに？』

ぐっと顔が近付く。

自分でも顔が熱くなるのがわかる。

『なぁ、なんで赤なってんの？』

「西畑さん…っ、近い、ですっ、」

『ごめんごめん、むっちゃ可愛い反応してくれるから、つい』

いたずらに笑った西畑さん。

「からかわないでください…っ」

『好きな子ってさ、からかいたくなるよな。』

ニコッと笑って、もう一言、

『好きになったんかもな、Aちゃんのこと。』

「え…、」

『いつも見とってん、可愛い子が来てはるな〜って。』

「…わたしも、」

『…ん？』

「ずっと、好き、でした。」

『ふふっ、じゃあさ…』

"俺と付き合ってみぃひん？"

そう、耳元で囁かれた私は、頷くことしかできなかった。

(わたしの王子様、かもしれない)

(じゃあ、あんたはお姫様、やんな？)