161.命綱なしの……って死ぬわァ!! ページ18
__カンカンカンッ
鉄製の階段を駆け上がる。そして左側に見えた扉を開けると何とも景色の良いことか。
千「ビンゴ…」
エ「千紗さん、」
さっきよりも高さが上だからか風も強い。
千「それで?命綱無しのバンジージャンプでもすんの?」
エ「…」
腕を組んで壁に背を預ける。
千「面倒は嫌いだっつったよね?」
少し強めに言ってみるもこっちを向かない。…え、なにこいつ?ほんとにバックドロップでもかましたろか?
蘭「何してるのエミリオ!」
千「おっと、」
エ「蘭さん…」
あ"ーもう。
合流した蘭ちゃんが近づこうとするも拒絶され、何故こんなことをするのかと問う。
エ「ライブ、嫌なんです。」
蘭「そっか…疲れたんですね?いいと思いますよ!休んでも。」
エ「無理です!僕がいる限り…中止になんかなりません。」
蘭「そ…そんなの変です、っ人の命より大切なライブなんてあるわけありません!!あの人たちが中止しないなら、私が…!とにかくお願い!そこから戻って!!」
蘭ちゃんは必死。……どうせ飛び降りるつもりなんかないでしょこいつ。
蘭「え…?」
カンカン、と足音をならしながらバカに近づいていく。一定の距離を保って立ち止まった。
千「おまえが死んだら…確かにライブも何もなくなる。」
蘭「ち、千紗さんッ!」
怯えた表情で私を見つめるバカアイドル。
千「でもさぁ、それでいいの?」
エ「え?」
千「あの金にうるさいメガネはまあ知らないけど、"クラウディア"って親しそーに話してた人はどうでもいいの?私と買い食いしてた時も話してたし。」
エ「それは、」
千「確かさっきも心配そうにしてたよねあの人。」
相変わらずボーッと私の顔を見つめるバカに聞いた。
千「おまえにとって、そいつの"心配"はどうでもいいんだな。」
エ「!」
しばらくしてエミリオはこちらへ体を向けて立ち上がった。
エ「僕は…__」
蘭「!、エミリオ…!」
蘭ちゃんの安心するような息づかい。
__ビュオッ
エ「わッ!!」
千「っ!」
体が大きく揺らいだ。私は慌てて踏みとどまるが、すぐに足に力を入れて飛び出した。
エ「うわあぁあ!!」
掴んだ!!!
千「っぐ、うぅう!!だから言っただろーが!私は命綱なしのフライングアウェイはお断りだっつーの!!」
エ「あ…」
渾身の力をふりしぼって左手にはエミリオの手。右手は"命綱"となっている。
っ…タワーから宙ぶらりんとか…本気で笑えねぇ!!!
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梗桔(プロフ) - とても面白いです。面白すぎて何度も読み返しています。更新を気長にお待ちしております。これからも頑張ってください!! (2021年5月31日 16時) (レス) id: 349cc19c1c (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - イアデビルさん» 好評&コメントありがとうございました!(*^^*) (2020年5月21日 22時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - アイスあるさん» 好評ありがとうございます!とても嬉しいです(TT) (2020年5月21日 22時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - ぺんぎん☆さん» 言い合いには力をいれてます笑、コメントありがとうございました! (2020年5月21日 22時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - うたプリ大好き?さん» 嬉しいです!コメントありがとうございました! (2020年5月21日 22時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pino | 作成日時:2019年8月9日 9時