164.本当にたったそれだけ ページ19
母さんの声が聞こえた。
『…………＿＿蛍…？焦凍…？』
うずくまって泣き叫んでいる兄さんとその傍らで同じく激痛でうずくまる私。………これは、記憶？夢を見ているのかな。
近くにやかんが転がっている。
母さんは青白い顔でこちらを見た。
『あ、ぁあ…！！ああ！』
私たちの姿を見るやいなや泣きじゃくり始めた。側に駆け寄り、震えながら"個性"を使い冷えた手で冷却し始める。
『なんてことを、なんてことを！誰か…冬美…！！冬美！！』
激痛で苦しいはずなのに冷静だった、その場をただぼうっと見てた。
『ど、どーしたの…！いきなり叫んだりして、』
今より少し幼い姉さんが顔を出した。
みるみる内に驚愕と恐怖の色で染まっていくのがわかる。
＿＿
＿＿＿＿
廊下を走る人影が二人。
『あああ！なんてことを！ごめんなさい、ごめんなさい焦凍…！蛍…！！私は…！』
兄さんの叫び声がこだまする。
母さんと姉さんの泣きじゃくる姿が見える。
冬『ああ、なんで、どうしてこんなことに…！しっかりして蛍、っ大丈夫だから…！おねえちゃんがいるから…！！』
腕の中でぐったりして動かない私を抱いて走っている。
その時の感情やいろんなものが何故か少しずつ思い出していった。
『…＿＿ぁ…、』
ぽたぽたと涙が私に降り注ぐ。
かあさん、おねえちゃん…＿＿
ああ、泣かないで。
＿＿わたしが、わるいから。どうか、なかないでほしい。
そこで意識はブツリときれる。
そうだ、
ただ笑っていて欲しかっただけ。
『いいのよ、おまえたちは。』
兄さんと姉さんたちと、楽しく過ごして欲しかっただけ。
『強く思う、将来があるなら。』
本当に、それだけ。
『なりたい自分に、なっていいんだよ。』
なりたい、自分に…＿＿。
黙ったまま何も言わずに随分と時間が経ってしまったから。
＿＿＿伝えないと。
今度は、自分の想いを伝えなければ。
ああ…でも。
母さんは、…私を赦してくれるだろうか。
＿＿＿＿＿
突然の作者乱入、失礼いたします。
……ヒロアカの映画を観てきました。
＿＿＿＿＿最高！！(語彙力が皆無)
かっちゃんが…かっちゃんがぁぁ！
１ーＡ組全員が頑張ってる姿がとても印象的でした。それに終盤辺りでもう…涙がうるっと来てしまってもう、もう最高でした！！(語彙力が皆無)
まだ見ていないというかた、ぜひ観に行ってみて下さい！！
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pino(プロフ) - うさぎさん» 好評とても嬉しいです！コメントありがとうございました！ (2020年5月24日 16時) (
レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - とても面白いです。話の展開がとても好きです。応援しています。 (2020年5月8日 3時) (レス) id: 1ab5dd9ceb (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - セイラさん» 好みに合っていてよかったです！(*^^*)コメント&応援ありがとうございました！ (2020年5月7日 11時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
セイラ(プロフ) - めちゃめちゃ面白かったです！！話の展開がとても好みでした。大変だとは思いますがこれからも頑張ってください！応援しています！！ (2020年4月26日 4時) (レス) id: 5ca5505410 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - イマツギさん» 応援ありがとうございます！一応同時進行で書いているんですがどうしても更新が偏ってしまいますね…、早く更新できるよう頑張ります…！ (2020年1月23日 19時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2019年11月2日 17時
