139.目覚めが良いとは言えない ページ43
〜蛍side〜
『けい、すごいよ！』
またこの夢か。
夜…庭の池で、"個性"を使った。
『きれいだー！』
"螢灯"……そういえば合宿のとき、洸太くんにも見せたっけ。
蛍のような光は池の水面をふよふよと飛んでいる。
『蛍…、これは…＿＿』
喜んで欲しさにやった私は、母の顔を見て落ち込んだ。
眉を下げた顔、私の想像していた表情とは違って少し落ち込んだ。
蛍『あ…あのね…、かあさんとおにいちゃんに、……見せたくって…あぶないってわかってたんだけど、げんき出してほしかったから…、ごめんなさい…』
自身の服を掴んで下を向いた。すると暖かいものに包まれる感覚。
『怒ってなんかいないわ。』
"私"がやっぱり怖いんだと再認識していた時だったからその一言は私を驚かせた。
『蛍…、あなたは優しい子ね。』
ふわりと笑う母。隣にかがんできて池の螢灯を見た。
『ふふ、私達の為にやってくれたんでしょう？ホタルみたい……、とっても綺麗で優しい光…蛍に似てる。』
『わたし？』
『ええ、あなたにそっくりよ。』
『？？、わたし虫じゃないよ？』
『ふふ、そうね。ただ、ずっとそのままで育ってほしいって…思ったの。』
また悲しそうに、笑う。
そんな顔して欲しいわけじゃなかったのに。
母さんも兄さんも姉さんも
誰も、私の目を真っ直ぐ見てくれない。
私はどう思った？この時どんな感情を抱いたんだろう？
『そんな所で何してるの…？』
蛍『っえ、』
わたしと同じ赤い髪…、
蛍『燈矢にぃ……』
『家の裏に行くの見たから…。』
燈矢兄さん。
私の隣に歩いてきて手を取り駆け出す。
『ここじゃ寂しいよ、向こうに行こう？』
蛍『だめだよ燈矢にぃ…！っもしとうさんに見つかったりでもしたら、燈矢にぃまで酷いことされちゃう…！！』
『ボールで遊ぼ。』
手を優しく引かれる、他人の手の温もり。
蛍『＿、』
そうだ…この時＿＿酷く胸のすく思いがしたんだ。
ずっと私は、寂しかったんだって。
蛍「っうぅ……」
目を開けると何度目かの白い天井。
蛍「い"っだ…」
ギシ、と音を立てて上体を起こすとすぐ側に兄がこちらに身を任せて寝ている。
蛍「……生きてる。」
……私は生き残ったんだ、体はすごく痛むけど。外は夕暮れだし、どれぐらい眠ってたんだろう。
蛍「兄さん、……兄さん。」
焦「…ぁ…？」
ゆっくりこっちを見た兄の目が大きく見開いた。
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pino(プロフ) - 紗菜見さん» 本当ですか！？感動してもらえてすごく嬉しいです…！！コメントありがとうございました！ (2019年8月18日 18時) (
レス) id: 959de6d87f (このIDを非表示/違反報告)
紗菜見 - この小説めっちゃ感動できる！！！(TДT)更新頑張ってください！ (2019年8月18日 15時) (レス) id: 60662f9996 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - イマツギさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！(TT)全力で頑張ります！！ (2019年8月18日 8時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
イマツギ(プロフ) - 早く続きが見たいですね!!更新頑張ってくださいm(_ _)m (2019年8月18日 2時) (レス) id: 55b7647faa (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - こころさん» コメントありがとうございます！更新がんばりますね…！(^-^) (2019年8月1日 19時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2019年5月15日 15時
