98.演習試験、終了 ページ2
どうして戻ってきたんだ、と言われなくてもわかった。でもとりあえず僕らは無我夢中で走って何とか三人全員でゲートをくぐった。
ごめんよ、かっちゃん…轟さん…。
僕ってやつは…＿＿。
緑「ハッ、ハァ…」
蛍「ハァ…」
ゲートをくぐると轟さんはドサリとその場に倒れこんだ。僕は腰をおさえながらよろよろと近づいた。
緑「とッ、轟さん…！」
蛍「…」
ダメだ…、完全に気を失ってる。
そりゃそうだ、かっちゃんと同様"個性"の使いすぎとオールマイトからのダメージ。
緑「合格、した…」
二人のおかげだ。
目を覚ましたらちゃんとお礼言わなくちゃ…
＿＿
＿＿＿
『あ、蛍…焦凍…。』
母がいなくなってしばらくたったある日だった。
セーラー服の上からエプロンを着てメガネをかけた姉がこちらを振り向いた。
焦『冬美おねえちゃん、』
蛍『救急箱さがしてるの…、いつものとこなくて…冬美おねえちゃん知ってる…？』
冬『あ、ああ…！そっか、ごめんね。』
慌てて棚の上から箱を取り出して私達の前に歩いてきた。
冬『…傷見せて、私がやるよ！』
焦『え、でも…』
蛍『…』
渋る私達をよそに手際よく絆創膏やガーゼを貼っていく。基本他の兄妹達と関わるのは許されなかった、私たちとは"別世界の人間だ"とか。
それでもたまに声をかけ何かと気にかけてくれたのが姉だった。
冬『ごめんね…』
母と同じように姉さんはよくそう言っていた。
冬『っこれからは』
少し声を大きくしたことに私たちは肩を揺らす。
冬『お姉ちゃん頑張るから！私のこと、お母さんだと思っていいよ！』
姉なりの気遣いだったんだと思う。
年端もいかない私たちの前から母がいなくなって今度は自分が何とか支えなければ、と思ったのか、笑ってそう言った。
焦『おねえちゃんは…、…おかあさんじゃないよ…。』
蛍『…』
繋がれた右手に力が入り、隣を見ると兄は泣きそうな顔になっていた。
冬『うん…、』
冬美姉さんも苦しそうに眉を下げ、とうとう顔をおさえて静かに泣き始めた。それにつられたように兄も涙を溢す。
姉もまだ充分甘えたい年頃だったろうに、母が消えて余計にこの家はめちゃくちゃになってしまった。
蛍『おねえちゃん、おにいちゃん＿、』
あの男さえいなければ…＿
私さえ、いなければ＿＿。
＿＿＿
＿＿＿＿＿
蛍「…、」
目を開けるとそこは知らない天井だった
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pino(プロフ) - 紗菜見さん» 本当ですか！？感動してもらえてすごく嬉しいです…！！コメントありがとうございました！ (2019年8月18日 18時) (
レス) id: 959de6d87f (このIDを非表示/違反報告)
紗菜見 - この小説めっちゃ感動できる！！！(TДT)更新頑張ってください！ (2019年8月18日 15時) (レス) id: 60662f9996 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - イマツギさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！(TT)全力で頑張ります！！ (2019年8月18日 8時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
イマツギ(プロフ) - 早く続きが見たいですね!!更新頑張ってくださいm(_ _)m (2019年8月18日 2時) (レス) id: 55b7647faa (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - こころさん» コメントありがとうございます！更新がんばりますね…！(^-^) (2019年8月1日 19時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2019年5月15日 15時
