118.消えることのないこの感情は ページ22
焦「俺は救いたいだけだ！！」
ギロリと効果音がつくほどきつく兄さんを睨む。
焦「俺も前はそうだった、親父のことしか、拒絶することしか頭になくて…！でも今は違う！」
蛍「一体何がしたいの？もうやめてよ、」
拳に力が入る。
焦「また元に戻れる、そう信じる！俺だけじゃねぇ！姉さんも、＿＿お母さん」
"蛍……"
焦「もっ…！？」
＿＿ダァン！！！
砂ぼこりがたち、ぎりぎりと兄さんの胸ぐらを掴み地面へ押さえつける力は増す。
蛍「もういい…！！！」
もう散々、緑谷も兄さんも。そんな戯言を聞き続けるのは！！
蛍「救いたいだけ？本当にそうなの？そこに罪悪感っていうものがあるんじゃないの。」
焦「っく…、違ぇ！！」
押さえつけている右手を兄さんが掴む。
蛍「違わない。兄さんも…＿＿姉さんも。昔からそうだった、傷だらけの私達を見ていつもいつも申し訳なさそうに目を反らす。」
大事な時ほど
蛍「真っ直ぐ目を見てくれたことなんてなかった。」
謝ってばかりで…。
焦「蛍…おまえ…、」
左側についた火傷痕がじくじくしてそっと手で押さえる。
蛍「しがらみを切る？そう簡単にできるものじゃない、簡単に断ち切っていい感情じゃない！！」
たまり続けるこの腹の底から湧いてくるどろどろとした感情は消えることはない。
蛍「怨みは消えない！！！」
目的を果たすまでは止まれない。
バクバクと脈打つ心臓、火傷痕につよく爪をたてる。
何が"家族"、何が"信じてる"、何が"救う"、だ。
蛍「あの男さえ、私さえいなければ＿＿！！」
"でも、ヒーローにはなりたいんでしょう？"
蛍「！？」
突然頭に微かに蘇るあの人の声。
"いいのよ、おまえは＿＿"
"自分を忌み嫌う必要なんか…＿＿"
ｻﾞ、ｻﾞｻﾞ＿＿ｻﾞｻﾞｻﾞ＿
蛍「かあさん…」
焦「！！」
相「取っ組み合いしろなんて言った覚えは無いんだが。」
その声にハッと顔を上げると
相「どういう事だ？」
こっちを睨む相澤先生が。立ち上がり、どうにも答える気になれない私に反し兄さんは口を開いた。
蛍「…」
焦「…俺が始めた事です、…すみませんでした。」
ハァ…とため息。
相「…もういい、二人とも元の行程に戻れ。」
踵を返した相澤先生の後を遅れてゆっくりと兄さんも歩いて行った。
蛍「…」
もやもやした心を消すかのように、私は訓練に没頭した。
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pino(プロフ) - 紗菜見さん» 本当ですか！？感動してもらえてすごく嬉しいです…！！コメントありがとうございました！ (2019年8月18日 18時) (
レス) id: 959de6d87f (このIDを非表示/違反報告)
紗菜見 - この小説めっちゃ感動できる！！！(TДT)更新頑張ってください！ (2019年8月18日 15時) (レス) id: 60662f9996 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - イマツギさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！(TT)全力で頑張ります！！ (2019年8月18日 8時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
イマツギ(プロフ) - 早く続きが見たいですね!!更新頑張ってくださいm(_ _)m (2019年8月18日 2時) (レス) id: 55b7647faa (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - こころさん» コメントありがとうございます！更新がんばりますね…！(^-^) (2019年8月1日 19時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2019年5月15日 15時
