85.これは"罰"なのだと ページ38
蛍「…もういい、やめて。」
焦「俺はまたおまえの笑顔が見てぇ…！」
…やめて
焦「また…あの頃みたいに笑い合いてぇ…」
やめて
焦「お母さんもお前に会いたいって…！」
やめて！！！
＿＿ﾀﾞﾝｯｯ！！
緑「っ！？」
焦「っ…」
拳を廊下の壁に叩きつける。
私の中で何かが切れた。
蛍「さっきから聞いてれば……、都合のいい話をべらべらと…！！戻る気なんてないって私は言ったはずだよね。」
壁に叩きつけた手に力が入る。
蛍「あの人に会う気だって無い！」
後ろから何で…という声が聞こえた。
蛍「…」
誰もいない廊下は私達三人だけ。
夕陽を浴びている中うつむく私の顔には影がおちている。
蛍「私があの人の側にいることで傷つけると知っていたのに、あの人が私を見て怯えているのを知っていたのに、」
赤い髪、エメラルドの瞳。
怖いくせに私を愛してくれた。
だからいつも優しくしてくれた。
"蛍、何してるの？こっちへおいで。"
"……、うん！"
それに甘えてた。……だから…あんな事に。
蛍「私は…それを知った上で…それでも側にいた…！自分を優先したんだよ！」
喋りだしたら止まらない時がある、っていうのはこういうことかな。余計なことを言うなと頭の隅で警告するも止まらなかった。
蛍「だから…だからあの日、…煮え湯を浴びせられた時こう思った。」
私はその場で振り返った。
蛍「＿＿これは"罰"なんだ、って。」
あの日あのときそう思った。
蛍「あの人の優しさの上に、あぐらをかいてた私への罰なんだって」
怯えた目、青白い顔、震える体。
＿＿そんな姿を見て母をここまで追い詰めたのは自分なんだと思い知らされた。
母がいなくなった日から毎日毎日自分を責め続けた。
蛍「私に力があれば…あんな状況と惨めな思いはしなかった。」
二人を睨みながら左拳を握りしめる。
焦「そうやって…ずっと自分を責めてたのか？」
どうしてこの二人が私よりも悲しそうに傷ついたような顔してるの。
蛍「変わるつもりはないよ。＿＿強くなるために。」
焦「それでお前が傷つくんなら…俺は嫌だ！」
緑「轟さん、君はいつも僕に言ってくれたじゃないか…。僕のやり方じゃ身を滅ぼすって、それは轟さんも一緒じゃないの？」
＿＿ッ！！
蛍「私の言ってることは何も間違ってなんかいない！！」
私が他人に見せた初めての激情だった。
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pino(プロフ) - 桜さん» エンデヴァーって絶対親バカだと思うんですよね…笑 (2019年7月3日 20時) (
レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - エンデバーw親バカw (2019年7月3日 20時) (レス) id: 7bef5e0dd1 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 美加代さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！(TT)頑張ります！ (2019年5月6日 8時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
美加代 - めっちゃ面白いです！もう毎日更新楽しみに待ってます！これからも応援してます！頑張って下さい！ (2019年5月6日 6時) (レス) id: 3ef79b5796 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 南風さん» 漢字難しい…！コメントありがとうございます！更新頑張ります！！ (2019年4月21日 19時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2019年3月15日 16時
