64.顔を合わせばいつもこれ ページ17
剣「お母さん…！」
手を放して母親の元へ駆け出していく。
勢いよく抱きついた後、二人で何か話してるようだった。
「あの、この子を保護して下さりありがとうございました…！！」
蛍「あ…いえ、…私は別に何も…。」
剣くんと手を繋いだ母親が私の元へ来て深く頭を下げた。
剣「ねえ、蛍さん！」
赤くなった目元。…また泣いたんだ。
剣「ぼく……"ヒーロー"になりたい！」
笑顔で私に告げる剣くん。
剣「ぼく…体よわいし、"個性"もぜんぜん扱えないけど…大きくなったら…ヒーローになりたい！」
蛍「…そう。」
彼の前にしゃがむ。
蛍「可能性はある、"個性"は扱えるように鍛練すればいい。」
剣「！！…うん！」
＿＿いつまでも手を振る少年と母親の後ろ姿を見送って私もようやく家へ帰った。
冬「蛍！長すぎるよロードワーク！」
蛍「……寄り道した。」
家へ帰ると姉さんが玄関に来た。
…シャワー浴びよう。
焦「…蛍、帰ってきてたのか。」
蛍「…うん。」
もう二人は夕飯を食べ終わっていて私も座ってテレビのニュースを見る。
冬「あ、焦凍。部屋に服置いといたから片づけてね。」
焦「ああ。」
そのまま兄さんは自分の部屋へ行った。
冬「あ、そうだ。体育祭ちゃんと録画してあるから！見たかったら勝手に見てね。」
録画なんてしてるのか…。
冬「にしてもすごいよ、焦凍も蛍も！二人して表彰台なんて〜！私いつまでも同じこと言っちゃう。」
蛍「…そう。」
冬「だからね…これ。」
姉さんは上機嫌でソレを私の前に置いた。
冬「優勝おめでと、蛍！」
蛍「…、」
それはショートケーキだった。
冬「ごめんね、忙しくってこれしか用意出来なかったの。もちろん焦凍にも別に買ってあるからね！」
私達への祝いの品だった。
蛍「…、……冬美姉さん…ありが」
ﾊﾞﾝｯｯ！
と勢いよく襖が開かれ姉さんがビクッと反応する。
冬「お…、お父さん…」
そこに仁王立ちしていたのは父だった。
冬「おかえりなさい…、ご飯出来てるよ？」
黙って父を見つめる私。不穏な空気を感じてか苦笑いで姉さんはご飯を食べるよう促す。
エ「蛍。」
蛍「…」
視界の端でもニィ、と口角を上げたのがわかった。
エ「どうして黙っていた！？あの炎を！日々の鍛練で習得したのか？いや…そこはどうでもいい！＿＿やはりお前は成功作だ！！」
顔を合わせればいつもこれだ。
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pino(プロフ) - 桜さん» エンデヴァーって絶対親バカだと思うんですよね…笑 (2019年7月3日 20時) (
レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - エンデバーw親バカw (2019年7月3日 20時) (レス) id: 7bef5e0dd1 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 美加代さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！(TT)頑張ります！ (2019年5月6日 8時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
美加代 - めっちゃ面白いです！もう毎日更新楽しみに待ってます！これからも応援してます！頑張って下さい！ (2019年5月6日 6時) (レス) id: 3ef79b5796 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 南風さん» 漢字難しい…！コメントありがとうございます！更新頑張ります！！ (2019年4月21日 19時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2019年3月15日 16時
