61.少年の小さな探検 ページ14
水をかけて洗ったあと消毒液をかけると痛そうに涙を浮かべていたけど大人しくしていた。
ウエストポーチから絆創膏を取りだし貼る。
蛍「……頑張ったね。」
頭に手をポンと置いた。
「…！」
びっくりしたあと少し目を伏せてやっと男の子は口を開いた。
「…あの、…ありがとう…ございました。」
控えめに男の子は礼を言った。
さて…人も疎らなこの場所に小さい子を置いていくわけにもいかない。
蛍「それで……貴方の親御さんは？こんなところに一人でいると危ない。」
「…」
悲しそうにまたうつむく少年にワケアリかと覚る。
蛍「……これでもヒーロー志望。貴方をここに置いていくのは気が引ける。」
「！……お姉さん…ヒーロー…なの？」
"ヒーロー"という言葉に反応した。このぐらいの年頃の子はヒーローに憧れる。
蛍「…ヒーロー"志望"だよ。"ヒーロー"になれるように今、頑張ってるってこと。」
「……」
しばらく黙ってから喋りだした。
「僕…、お母さんと喧嘩しちゃって…家から飛びでてきたの。……走ってるうちに知らない場所まできちゃってて……それでぼく、…」
ぐっと唇を噛んで泣きそうになってる。
蛍「……ここで喋るのも窮屈だし…場所変えようよ。」
ここで自分が不審者だと思われるのも嫌だから立ち上がった後、手を差し出して名乗る。
蛍「…私は雄英高校ヒーロー科１ーＡ組 轟 蛍。……貴方の名前は？」
男の子は少し驚いておずおずと私の手を握った。
剣「僕は…、…風谷 剣(かぜたに けん)。小学一年生…です。」
男の子を引っ張り立ち上がらせるととりあえずもう少し人気のある場所へ行こうと歩く。
蛍「それて…貴方の住所は？送るよ。」
そう聞くも予想通り再び口を閉ざす。
ハァ…、ロードワーク中に迷子発見とは。
剣「ぼく……うちに帰りたくない。」
蛍「…」
服を握りしめる剣くん。
蛍「…剣くん。親御さんもきっと心配してる。」
今では私の言葉に説得力は無いか。
蛍「…じゃあ少し歩こう。」
剣「え…？」
蛍「せっかく知らない場所に来たんだから。…探検しようよ。」
驚いている彼をよそに先を歩く。慌てて着いてくる足音が聞こえた＿＿＿。
剣「ここは…？」
蛍「…商店街。いろんな店あるよ。雑貨屋に…飲食店に…、とりあえずいろいろ。」
剣「すごい…！きれいな通り…。」
蛍「…ちょっとぶらつこうか。」
剣「うん…！」
62.傷つけてしまったこと→←60.ロードワーク中に出会ったのは
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pino(プロフ) - 桜さん» エンデヴァーって絶対親バカだと思うんですよね…笑 (2019年7月3日 20時) (
レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - エンデバーw親バカw (2019年7月3日 20時) (レス) id: 7bef5e0dd1 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 美加代さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！(TT)頑張ります！ (2019年5月6日 8時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
美加代 - めっちゃ面白いです！もう毎日更新楽しみに待ってます！これからも応援してます！頑張って下さい！ (2019年5月6日 6時) (レス) id: 3ef79b5796 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 南風さん» 漢字難しい…！コメントありがとうございます！更新頑張ります！！ (2019年4月21日 19時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2019年3月15日 16時
