8.回想 ページ9
冬美side〜
私には双子の弟と妹がいる。
一人は母と父の特徴を継いだ見た目の焦凍、左顔に火傷の痕がある。
もう一人は見た目は父にそっくりだけど顔立ちは焦凍に似ている蛍、左顎から首、鎖骨、左肩辺りまで火傷の痕がある。
昔は仲が良かった……んだと思う。怪我をすればお互いを心配し気づかった。よく笑いあっていたのを見かけた。
だけど中学に上がったあたりから全くと言っていいほど喋らなくなった。最初は焦凍が蛍に対してちょっと冷たいなって思ってただけだったけど、その頃から蛍も変わった。
全然笑わなくなったし、話さない。
明るくてよく笑う子だったのに。
物心ついた時からやっていた父さんの特訓以外の自主練の時間も多くなった。
まるで何かにとりつかれたみたいに、執着するように。家の道場で一人、個性や体を鍛えている。
冬『蛍？…もうごはんの時間だよ。そろそろやめてね…？』
蛍『……姉さんか。…わかった。』
タオルで汗を拭ってお風呂入ってくるとだけ言って行ってしまった。外でも見かけた時はいつもつまらなさそうに周りを見ている。
私に…何か出来る事は無いのかな…。
〜蛍side〜
蛍「退屈だな……」
推薦入試まであと何ヵ月か。
家までの道中に公園の前を通る。
小さい子供が無邪気に走り回っている。
蛍「……」
蛍『……しょーと、ここにいたんだね。』
左目に包帯が巻かれている兄の隣のブランコに腰かける。ギィ…と音がなる。
焦『お母さんは…僕たちがきらいになったのかな……。』
蛍『おにいちゃん…』
下を向いて呟いた。
私にもわからない、だけどその時は兄をどうにか笑顔にできないかと小さい脳ミソで考えた。
蛍『おにいちゃん！見てて！』
うつむいている兄の前にたった。
焦『？』
個性を使って地面にペットボトルぐらいの大きさの氷を出す。そして左手で炎を出して氷を所々溶かしていく。
蛍『じゃーん！おはな！』
地面のそれは今思い返してみれば花…というにはあまり出来が良くなかったと思う。
ただ少しでも元気を出してほしくて考えた結果だった。ぽけーっと個性で作った花を見ている兄。
焦『すごい…！蛍、こんなのつくれるの!?』
ﾊﾟｧｱと顔を明るくさせたから安心した。
蛍『おかあさんはね、きっと疲れてたんだよ。』
焦『うん…』
花のまえに二人でしゃがみこむ。
蛍『私だけはしょーとの事嫌いにならないよ。ずっとなかよしの双子のきょうだい！』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 283人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なる(プロフ) - 遙 (2019年12月30日 19時) (
レス) id: e8d1874213 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - アオイさん» 名前はこれでpart2、3と続いてるのでこのままでいきたいと思っています…！コメントありがとうございました！ (2019年5月22日 20時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 名前変換できるようにすることってできますか？ (2019年5月22日 16時) (レス) id: fd0d6f525d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：pino | 作成日時：2018年11月24日 22時
