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38."それはとても綺麗な花だった" ページ40

『蛍…、蛍…』



＿＿あの人の声がする。



『ごめんね……』



私が見ているあの人はいつも怯えている。いつも悲しそうだった。









蛍『かあさんは花が好きなの？』

『ふふ。ええ、この花はね…特別なの。』


ふうん、とその花を見た。
綺麗な＿＿とても綺麗な花だった。







蛍(花がいっぱいとれた…！かあさん喜んでくれるかな…)







ﾊﾟﾘﾝ＿！


蛍『…？、かあさん？』


『うっ、…うぅ…』

『こんな所にいたのか、蛍。探していたぞ。』

蛍『かあさん！』


うずくまって泣いているあの人に駆け寄って目の前に立っているアイツから庇う。近くには花瓶が無惨に割られていてその手には一輪の花が。


蛍『返せ…！それはかあさんの花だ…！！』


ボワワワ…体の中心から熱くなるような。
そんな感覚だった。


『…ふん、』


スッともう折れてしまっている花を差し出す。


『何だ？返して欲しいんじゃないのか？』


早く受けとれと言う。
私も手を伸ばして花を掴んだ。


蛍『！』ﾎﾞｫｯ


火が燃え広がり花は黒こげになってハラハラと畳の上に無惨な姿を残した。

＿＿それを見てとても悲しい気持ちになった。



『見ろ。力のコントロールさえ出来ていない。今のお前では後ろに庇っている母親でさえお前自身が傷つける。』



私が…？傷つける？
後ろでうずくまって泣いているあの人を見る。


『うぅ…うっ…、』


＿＿違う、違うよ。そんなはずない、違うって否定して、


『行くぞ。』ｸﾞｲｯ

蛍『あっ』


ｷﾞﾘｷﾞﾘと掴まれる腕、引きずられ歩く。



蛍『いやだ！！たすけて…！おにいちゃん…！かあさん…！！』



だれか＿＿！！









赤い髪。
エメラルドの瞳。

どうしてこうも"似ている"んだろうか。


『ひっ…！！』

『嫌…！もうやめて、…』


どうして、なんで、わたしだよ、けいだよ。




それでもあの人が見てるのは私であって私じゃなかった。









蛍『かあさん…どうして私は赤い髪なの？どうして私の瞳は黒くないんだろう。』

『…』

蛍『わたし…父さんみたいになりたくない…！おにいちゃんを…かあさんを…傷つける人になんかなりたくない…！』


あの人の足の上で服を握りしめた。





『蛍＿＿』






何て、言ったんだっけ。

あの人に関するいろんな事を私は忘れてしまった。









フ…と瞼を開ける。
暖かい日差しと風がふいた。


蛍「夢なんて…見るもんじゃないな…」

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なる(プロフ) - 遙 (2019年12月30日 19時) (レス) id: e8d1874213 (このIDを非表示/違反報告)
 pino(プロフ) - アオイさん» 名前はこれでpart2、3と続いてるのでこのままでいきたいと思っています…！コメントありがとうございました！ (2019年5月22日 20時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
 アオイ(プロフ) - 名前変換できるようにすることってできますか？ (2019年5月22日 16時) (レス) id: fd0d6f525d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名：pino | 作成日時：2018年11月24日 22時

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